【大胆にイメージチェンジ】ヴォグゾール(オペル)・モッカへ試乗 優れた総合力

公開 : 2021.03.07 08:25

グループPSAに加わり、一新したクロスオーバーのモッカ。プジョー2008と共有のプラットフォームに、コルサと同じパワートレインを採用しています。英国編集部が評価しました。

先代から大胆にイメージチェンジ

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
オペルのスタイリングが控えめだったのは昔のこと。新しいモッカも、それを表す1台といえそうだ。

オペルの英国ブランド、ヴォグゾールがラインナップするコンパクト・クロスオーバーが2代目へと代替わりした。ブランド全体へ影響を与えるであろう、大胆なデザインをまとっている。

ヴォグゾール(オペル)・モッカ(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・モッカ(英国仕様)

初代モッカの人気は英国では低くなく、イメージチェンジは意外にも思える。発売は2012年で、これまでに100万台以上のモッカが欧州の道を走ってきた。英国市場は、そのうちの20万台を占めている。

クロスオーバー人気は高まる一方で、競争は激しい。ライバルモデルもスタイリングとテクノロジーのアップデートに余念がない。大胆なモデルチェンジは、モッカでも必要だったのだろう。

オペルがバイザーと呼ぶスリムなフロントグリルも含めて、スタイリングは2018年のコンセプトカー、GTXを彷彿とさせる。グリルといっても空気が抜けるメッシュはなく、塞がれたパネルの中央にエンブレムが付く。

バイザー・グリルは空力特性にも貢献しており、空気抵抗は先代のCd値0.35から0.32へ向上している。ルーフラインの処理も含めて好みは分かれると思うが、従来より明らかに誘目性は高い。見た目のアピール力は、フォード・プーマに並ぶと思う。

ボディ内側のアーキテクチャは、グループPSAで共有となるCMP。プジョー2008DS 3クロスバック、シトロエンC4、オペル・コルサなどと同じものだ。

コルサと同じパワートレインに充実装備

CMPアーキテクチャの採用で、車重は先代から120kgも軽量化できている。ボディ剛性はエンジンモデルで15%、純EVのモッカeでは30%も向上させているという。

サイズは先代より124mm短く、10mm広い。ホイールベースは2mmだけ伸びた。前後のフロントオーバーハングが短くなり、車内空間を犠牲にせずダイナミックな姿にまとめている。

ヴォグゾール(オペル)・モッカ(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・モッカ(英国仕様)

パワートレインは、コルサと共有。ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、先日ご紹介した電気モーターから選べる。

1.2Lの3気筒ターボガソリンは、100psと130psの2段階を設定。ディーゼルエンジンは1.5Lで109psとなる。トランスミッションは6速MTのほか、130psのモッカでは8速ATが選べる。

標準装備は、ベースグレードのSEでは16インチ・アルミホイールにLEDヘッドライト、衝突被害軽減ブレーキなど。エリート・ナビ・グレードを選べばホイールは17インチになり、バックカメラやコネクテッド機能などが追加される。

スポーティな装いのSRIグレードでは、18インチ・アルミホイールにスポーツシート、プライバシーガラスなどが付く。ボディのトリムパーツもブラック・アウトされる。

最上級グレードが、ウルティメイト・ナビ。エンジンモデル専用で、キーレスエントリーやスマートフォンのワイヤレス充電、マトリックスLEDヘッドライトなどが装備される。

すべてのモッカで、クルーズコントロールや標識認識機能などが標準装備。試乗車には、前後のパーキングセンサーやナビ、インチアップしたインフォテインメント・システムが装備されていた。

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