【企業ロゴが素敵に収まる】ランドローバー・ディフェンダー・ハードトップへ試乗

公開 : 2021.05.20 08:25

突出したオフロード性能と実用性、快適性を兼ね備えた新ディフェンダー。商用車前提のリアシートを持たないハードトップを、英国編集部が評価しました。

ハードトップでは短い90が主流

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいディフェンダーの売り上げの約25%を、商用車(CV)となるハードトップが占めると予想するランドローバー。1950年に同ブランド誕生のきっかけとなったモデルが、見事な復活を果たしたといえる。

一般的なディフェンダーのオーナーなら、ホイールベースの長い110を好むはず。一方でハードトップは、ホイールベースの短い90が販売台数の多くを占めることになるようだ。

ランドローバー・ディフェンダー90 ハードトップと110 ハードトップ(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー90 ハードトップと110 ハードトップ(英国仕様)

理由の1つに、本格的なオフロード性能を備えた小さめのワゴンモデルの選択肢が少ないことがあるだろう。そのニーズは小さくない。

通常のディフェンダーを商用車へ変更するにあたり、リアシートを外す以上の手直しが施されている。強化されたバルクヘッドを備え、荷室と乗員の空間を完全に分離。荷室は耐久性の高い素材で仕立てられ、フックなどの装備も追加された。

荷室容量は、90 ハードトップで1355L、110なら2059Lが確保されている。荷室の床下には鍵をかけられる58Lの収納空間もある。110の場合はリアタイヤの前部にも、155Lの収納スペースがフロア下に用意されている。

荷室のフロア部分の幅は、90で1326mmを確保。長さ1031mmのものまで載せられる。110では幅が1423mm、奥行き1472mmと広大。ユートパレット規格の荷物も積載可能だ。

乗員空間も実用性が優先。素材は耐久性重視ながら、プレミアムと呼びたくなる快適性とのバランスも図られている。90でも110でも、フロントシートの間には3名がけにできるジャンプシートも装備できる。

走破性能は乗用車仕様と変わらず高い

ダッシュボードにはランドローバー最新のインフォテインメント・システムが装備され、通常のディフェンダーに準じる快適機能も疎かにはなっていない。

リアのサイドウインドウはパネルで潰されているが、運転支援システムが増えた死角を補ってくれる。優しい労働環境だ。

ランドローバー・ディフェンダー90 ハードトップ D200(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー90 ハードトップ D200(英国仕様)

CV仕様の90 ハードトップに搭載されるエンジンは、今のところマイルド・ハイブリッドの3.0Lディーゼルターボ一択。D200として、最高出力199ps、最大トルク50.9kg-mが与えられる。

110 ハードトップは、ディーゼルターボながらD240とD250、D300の3段階から選べる。今回試乗したのは90 ハードトップ D200と、110 ハードトップ D250の2種類だった。D250の最高出力は249psで、最大トルクは57.9kg-mだ。

舗装路での走りは、最新のディフェンダーへ期待するとおり洗練されまとまりがある。90 ハードトップでも走行中のエンジンは比較的滑らかで静か。3500kgの最大牽引能力を備えるだけあって、不足ないトルク感もある。

ハードトップは産業現場での実用車として活躍する前提だから、オフロード性能も欠かせない。実際、四輪駆動のパワートレインと2段トランスファーを備え、走破性能は通常の乗用車仕様と変わらず高い。

特に90 ハードトップはホイールベースが短く、ボディを導くのが簡単。路面の映像を写すカメラなど、多くのアシスト機能が障害物の回避にとても有用だった。

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