「機械式」がこだわり! スパークプラグのNGK、ペダル踏み間違い抑制装置の“普及”に本腰!

公開 : 2023.03.17 21:15  更新 : 2023.11.24 14:14

NGK(日本特殊陶業)が、ペダル踏み間違いによる事故を減らす取り組みを開始。後付けできる製品で、「機械式」なのが特徴です。

NGK特約店で買える「アイアクセル」

NGKというブランド名を聞いて、最初に思い浮かぶのはスパークプラグだろう。

もちろん現在も主力商品であるのは間違いないが、1月に開催された「東京オートサロン2023」でも、3月の「国際オートアフターマーケット2023」でも話題になったのが、「アイアクセル」だ。

英田エンジニアリングが開発した「アイアクセル」。約400社のNGK特約店という強力な販路で拡販していく。
英田エンジニアリングが開発した「アイアクセル」。約400社のNGK特約店という強力な販路で拡販していく。

これは、ペダルの踏み間違いによる事故を未然に防ぐ後付け装置。

高齢者や運転初心者が「ブレーキを踏んでいるつもりでアクセルを踏んでしまい、クルマが暴走してしまう」という、昨今増えているそんな事故の防止に効果を発揮する。

元々は岡山県の「英田エンジニアリング」が開発した製品だが、それをNGK(日本特殊陶業)が全国に400社ほど有するNGK特約店を通じて、積極的に全国に拡販していきたいという。

ポイントは「機械式」 その効果は?

このような“後付けタイプ”の製品では、アクセル信号を感知して制御を行うという電子式が多いのだが、このアイアクセルは独自の機械式を採用。

アクセルペダルが約10kg以上の力で踏み込まれると作動し、アクセルペダルを初期の位置に戻すまでアクセルが解除された状態となり、踏み続けても加速はしない。

「アイアクセル」の作動イメージ。数ある踏み間違い抑制装置のなかでも、ブレーキが緩やかにかかるのがポイント。
「アイアクセル」の作動イメージ。数ある踏み間違い抑制装置のなかでも、ブレーキが緩やかにかかるのがポイント。

しかもその際には、連動してブレーキが緩やかに作動するため、数十メートル先でクルマが停止する(同社のデータでは30km/h時に30m先で停止)。

また、「機械式」ということで電子スロットルではないケーブル式スロットルの旧車にも取付けができ、クルマに標準装着やオプション装着されている機能のように雨天や周辺環境による誤作動も発生しないという。

適合車種・価格について

適合車種はスズキトヨタホンダの新旧モデルが中心。

今後増やしていく予定だが、現在適合がなくてもAT車であれば対応が可能で、最新の適合情報は同社公式サイトで確認できる。

適合車種の一覧には、セリカ(ZZT230)、クレスタ(E-GX90)、マークII(JZX100)というケーブル式スロットルの車種も。
適合車種の一覧には、セリカ(ZZT230)、クレスタ(E-GX90)、マークII(JZX100)というケーブル式スロットルの車種も。

車種ごとに設計・設定しているので、取付け後も取付け前と変わらない違和感のない操作が可能だ。

なお取付けを行うにはペダル部分に改造が必要となり、NGKが指定した取扱整備事業者(全国約40か所。同社公式サイトに掲載)への依頼を行う。

国土交通省性能認定品であるため信頼性が高く、なんと5万回の耐久試験に合格。保安基準適合品でもあり、車検時に取外す必要はない。

価格は車種を問わず本体が17万6000円(税込)で、取付費が4万4000円(税込)となる。やや高価に感じる人もいるだろうが地方自治体によっては補助金制度を利用できる場合もある。

家族に高齢ドライバーや初心者がいる方はぜひ公式サイトで詳細をチェックしてほしい。ペダル踏み間違い事故防止に対して非常に効果の高い製品といえるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    浜先秀彰

    Hideaki Hamasaki

    千代田工科芸術専門学校写真科を卒業後、自動車専門誌編集部スタッフを経て、フリーランスライターとして独立。現在は執筆、編集、撮影を一人で行うことも多い。カーナビやドラレコのレポートを得意とするが、守備範囲はカスタムパーツや洗車ケミカル、車内小物までを含むカー用品全般となる。YouTube「カーグッズチャンネル」を2021年より運営。

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