BMW M3 & M4の新エンジンがベールを脱ぐ

公開 : 2013.09.25 21:00  更新 : 2017.06.01 02:15

BMW Mディビジョンは、M3サルーンとM4クーペ、コンバーチブルに新開発のストレート6を搭載する。

この新しいユニットはS55 B30のネーミングで開発されているもので、直列6気筒3.0ℓダイレクト・インジェクション・ツインターボ。424bhp、51.0kg-mのパワー、トルクを持つ。ベースとなるのはM55ユニットで、ボアφ84.0、ストローク89.6mmのサイズは変わりない。排気量は2979ccだ。

4.0ℓV8ダイレクト・インジェクション・エンジンであるS65ユニットよりも990cc小さい排気量となる。S65ユニットは第4世代のM3クーペ、サルーン、コンバーチブルで6年間使われたことになる。

S55 B30ユニットは、第一世代のM3から数えても、M3に搭載されるエンジンとしては最も小さい排気量を持つ。2本のシリンダーを失い、排気量も25%ダウンサイジングされたにもかかわらず、S65ユニットよりも10bhpもパワーアップするという。ちなみに、S55 B30ユニットは7500rpmで424bhpを発揮するが、S65は8300rpmで414bhpを発揮していた。リッターあたりで換算すると38bhpの改善となる。これはM5やM6クーペに用いられる4.4ℓのV8エンジンと比較してもリッターあたり16bhpも大きい。

レブリミットは7600rpmに一応設定されているが、イグニッション・カットが採用されるかどうかは未定だ。

この新しいS55 B30ユニットのハイライトは、クローズ・デッキ・デザインにある。シリンダー・ボア・ライナーにはスプレー・コーティングによって軽量化を果たしている。また、鍛造のクランクシャフトと、軽量ピストンとの組み合わせは、ストッロル・レスポンスの向上に寄与している。

また低速トルクの厚さも特徴で、2000rpm以下で51.0kg-mのトルクピークを持つようにセットされている。ちなみにノンターボのS65は、3900rpmで40.8kg-mを発揮していた。Mディビジョンの開発担当ボスであるアルバート・ビーアマンは、そのトルク特性について「パフォーマンスの向上のためには必須だった」と語っている。

公式なパフォーマンスは発表されていないが、AUTOCARの予想では、新しいM4クーペは、旧いM3クーペの0-100km/h加速4.8秒を上回る4.5秒になると見ている。トップ・スピードは、リミッターで制限される250km/hと変わりない。更にそのCO2排出量は90g/km以上改善し、200g/km以下になる予定だ。

このS55 B30ユニットは、ZFで開発した6速マニュアルが標準で組み合わせられるが、その重量はツイン・プレート・クラッチを使用することで12kgも軽量化を果たしているという。また、ゲトラーク製の7速デュアル・クラッチもオプションとして用意される。第3世代となるこのデュアル・クラッチ・ギアボックスは、そのシフト・クオリティが大幅に改善されているという。

M3およびM4のドライブトレインの特徴のひとつにカーボンファイバー製のプロップ・シャフトの採用が挙げられる。これは旧いM3に対して40%も軽量に仕上がっている。

ディファレンシャルは電気式アクチュエーターを持つものだ。

サスペンションは鍛造のコンポーネンツ、大幅に修正されたジオメトリー、従来のゴム・ブッシュを使わずボルトでダイレクトにボディに取り付けられたリア・アクスルなどが採り入れられている。フロントが5kg、リアが3kg、合計で8kgも旧M3に対して軽量化が果たされている。タイヤはフロント255/35ZR19、リアが275/35ZR19が組み合わせられる。

スタリングは電気機械式で、M3には初採用のもの。旧い油圧式のものよりも遥かにすぐれているとピーアマンは主張している。

最新のM5と同様に、新しいM3およびM4もドライビング・モードは、エフィシエンシー、スポーツ、スポーツ・プラスの3つのモードを選ぶことができる。このモードの切り替えによって、ステアリング、スロットル、ギアボックス、スタビリティ・コントロールが変化する。

また、ダンピングも3つのモードが用意される。コンフォート、スポーツ、スポーツ・プラスだ。

なお、そのボディについては、カーボンファイバー製のルーフが与えられることが明らかにされている。ボンネットとフロント・フェンダーはアルミニウム製で、ドアとリア・フェンダーはスチール製となるとされている。

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