【輸入車BEV販売比率1位のアウディ】 急速充電ステーションを東京都千代田区にオープン

公開 : 2024.04.26 21:05

アウディは東京都千代田区紀尾井町に、バッテリー電気自動車(BEV)の急速充電ステーション「アウディ・チャージングハブ紀尾井町」をオープンした。6月末まで無料で利用できるキャンペーンも実施するとのこと。

アウディは電気自動車を売るだけのメーカーではない

4月26日、アウディ・ジャパンは東京都千代田区紀尾井町に、バッテリー電気自動車(BEV)の急速充電ステーション「アウディ・チャージングハブ紀尾井町」をオープンした。

この施設を紹介する前に、まずは日本におけるアウディの最近の状況と今後の展開を簡単におさらいしておこう。

アウディ急速充電ステーション「アウディ・チャージングハブ」千代田区にオープン
アウディ急速充電ステーション「アウディ・チャージングハブ」千代田区にオープン

2023年度、アウディは2万4608台を登録(前年度比+18.6%)。そのうちBEVは11.5%の2822台(前年度比+249%)。日本市場全体では約2%、輸入車だけでも9%という状況で、アウディ車のBEV比率は高い。中でもQ4 eトロンは約2000台を販売し、輸入車のBEVではNo.1の販売台数を誇る。そして急速充電器は300拠点を超え、CHAdeMO規格では最大級の急速充電ネットワークを誇っている。

そして2024年度は、まずチャージングネットワークを拡充し、アップデート(充電速度の向上)を図る。次に、都市部のユーザーの課題(充電場所や時間など)にフォーカスする。そして、サステナビリティのアクションをより多くのユーザーとともに実感できる進化を目指していく。

つまり、アウディは日本におけるBEVのパイオニアとして販売台数を増やしていくだけでなく、日本におけるBEVのトランスフォーマーを目指していく。そのステップとして誕生したのが、このアウディ・チャージングハブなのだ。アウディ全体で7番目、ヨーロッパ以外では初となる拠点について、その概要を紹介していこう。

都市部におけるBEVの課題解決を図り、BEVの普及を目指す

BEVの購入を検討しているが、都市部でマンションなどに住んでいる人は「充電拠点が足りない」とか「自宅で充電できない」といった理由で購入に二の足を踏んでいる人は多い。また、充電の順番待ちや充電時間の長さもネックになっている。

今回オープンしたアウディ・チャージングハブ(以下、ACH)は、アウディeトロン取扱店のアウディ・シティ紀尾井町に隣接し、東京都心でも特にオフィスやホテル、商業施設、官公庁などが密集するロケーション。BEVの充電を取り巻くこれらの課題が深刻化しやすく、急速充電拠点のニーズが高いエリアでもある。

アウディ急速充電ステーション「アウディ・チャージングハブ」千代田区にオープン
アウディ急速充電ステーション「アウディ・チャージングハブ」千代田区にオープン

ACH紀尾井町には、パワーエックス社製の蓄電池型長急速EV充電器「ハイパーチャージャー」を2基4口設置している。1基につき2つのポートを持ち、BEV2台同時の急速充電が可能で、1台充電時の最大出力は150kW、2台同時の場合は1台当たり最大120kWの高出力で充電を行う。

充電需要の低い時間帯に内蔵の蓄電池(358kWh×2)にカーボンニュートラルの電気を蓄え、充電需要が高まる時間帯に充電を提供する。まだ屋上には太陽光パネルを設置し、運営に必要な電気を補う。再生可能エネルギーも活用して脱炭素にも貢献する。

150kWの充電に対応したモデルなら、航続距離100km分の充電をQ8 eトロンなら約8.5分、eトロンGTなら約6.5分で可能だ。

充電スペースは、とくに左右の幅が広く取られており、操作はしやすい。ヨーロッパのACHでは、すでに4万回以上の充電実績があり、平均の充電時間は30分ほど。そして約60%のBEVユーザーがリピーターとなっているという。

紀尾井町は隙間時間に気軽に立ち寄れるロケーションにあり、充電時間には休憩したり、アウディの新型モデルを見たりしている間に充電が完了し、充電に費やしていた時間を最小限にし、有効活用できるというメリットもあると、アウディ・ジャパンのブランドディレクターであるマティアス・シェーバース氏は語る。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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