キャデラックATS-V

公開 : 2015.05.05 23:50  更新 : 2017.05.29 18:32

いまやアメリカのみならず、世界基準をも超えようとしている。それが最新のアメリカン・モンスター、キャデラックATS-Vだ。

■どんなクルマ?

全方位的に新しく生まれ変わったATS-Vは、小型キャデラックの公式を踏襲しながらも、熱狂的に、しかしある種の冷静さを保ちながらドイツの競合を打破しようと企んでいる。

それゆえに、2ドアと4ドアの両方から選ぶことができるATS−Vは、心の底から満足できる新生キャデラックのシンボルとなることも予想される。

獰猛なサルーンが跋扈した黎明期のように、気が遠くなるようなV8エンジンを搭載していないが、モダンな3.6ℓ V6ツイン・ターボは470ps/5800rpmと、61.5kg-m/3500rpmを叩き出す。

サウンドは疑いようもなくアメリカンではある一方、嬉しいことに、AMGのように人工的であったり、M4のようにがっかりとさせられることはない。

トランスミッションは、レブ・マッチング機能付き(ダウン・シフト時)の6速MTと、クイックな変速が可能な8速トルコンATの2種類から選択可能。

ポルシェのPDKよりも迅速なシフト・チェンジができる、というのがキャデラックの言い分だ。

ATS-Vはコルベットと共通の電制デフを介して後輪を駆動するタイプのFRのみの設定となっており、ブレーキは6ピストンのブレンボ・キャリパーと2ピース・ローターが前に、後ろには4ピストンを組み合わせる。

基準車のATSと比べてサスペンションは50%、シャシーは25%引き締まっており、ボディと車輪の動きは最新世代の ‘マグネティック・ライド・コントロール’ ダンパーが制御する。

18インチの鍛造合金ホイールには、ミシュラン製のパイロット・スーパー・スポーツを組み合わせている。

サポートが豊富かつ快適な18ウェイのレカロ製シートや大径ステアリング・ホイールは引き続き健在。しかしクーペに関しては、その後席スペースはあまり期待すべきではない。

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