RMサザビーズ・ロンドン・オークション

●2015.09.07　ロンドン/イギリス 8月のモントレーを成功のうちに終えたRMサザビースは、9月に入ると舞台をイギリスに移し次なるオークションを開いた。ここでは親しみ易い中〜上クラスのコレクターズカーを中心に用意された。  
RMサザビース・オークションはモトレー・ウイークに続き、ロンドンでオークションを開催した。ここでは特上の車両は積極的に用意されず、同社としては親しみ易い価格帯といえる中〜上クラスのコレクターズカー76台が用意された。とはいえ目玉として1958年型フェラーリ 250GT ベルリネッタ・コンペティツィオーネ TdFが用意されていた。 ここでの最高額は予想通り1958年型フェラーリ 250GT ベルリネッタ・コンペティツィオーネ TdFの8億7108万円だった。これにフェラーリ 250GT ルッソ（2億2546万円）、フェラーリ F40（1億5475万円）、アストン・マーティン DB5 ヴァンテージ（1億4348万円）、ブガッティ EB110 スーパースポーツ（1億1478万円）が続いた。どれも想定内の価格といえるが、DB5 ヴァンテージの落札額は注目に値する。 またモントレーほどお祭り要素が無いオークションだけに、フェラーリ 365GTB/4 デイトナ・スパイダーやメルセデス・ベンツ 300SL ロードスターといった高額車は流れている。 好き者の目で見るとロンドン・オークーションにはイタリアの虫達が数多く出品されたことが注目に値する。フィアット 1100S MM スペチアーレを始め、モレッティ 750 スポルト・バルケッタ、バンディーニ 750 スポルト・シルーロなどはこの種のオークションに余り出てこないだけに、注目を集めた。 このほかアバルトでは初登場のスコルピオーネ・プロトティーポは、ちょっと疑問符が付く微妙なモデルだったため入札が進まなかったようだ。一方で定番の750GTダブルバブルは1128万円、2000 SE027は3075万円で終えている。 リストを見て行くとフェラーリ328GTSが3485万円というとてつもない額で落札されている。このクルマは新車からワンオーナーで、走行は556マイル／889km! 購入以来保管されていたもので、実質的に新車同様といえるコンディションが評価されたもの。今中古の328をフルレストアしても同様の金額になってしまい、内装などは完全に復元できない。そのため、完璧な328を求める方ならお買い得かもしれない。 ここにきて世界経済の不安要素が浮上してきたこともあり、数ヶ月前のようなバカ値は付かなくなっている。ポルシェを例に見て行くと、356の4カム・モデルは1億に迫る値を付けていたが、ここではカレラ2が7072万円、1500GSは5534万円留まっている。鉄板だった73カレラはツーリング仕様ということもあるが7778万円の最低落札額にすら達せず流れてしまった。 今回のオークションでの成約率は73.6%で、世界経済の先行き不透明さが反映したのか、低調に終わっている。この先の流れは、もう少し様子を見る必要がある。