レンジ・ローバー5.0 V8 スーパーチャージド・オートバイオグラフィ

■どんなクルマ?

ディーゼル・モデルがヨーロッパでのレンジ・ローバーのセールスの大多数を占めることは間違いない事実だ。しかし、ガソリン・エンジン・モデルがトップ・エンド・モデルとして君臨している地域もある。それは中東およびアメリカだ。英国でもスーパーチャージャー付きの5.0リッターV8モデルは、その価格においては疑うべきもなくトップ・モデルとして存在している。

但し、唯一のトリム・レベルであるオートバイオグラフィにサインをするということは、その対価として98.395ポンド(1,255万円)を支払うということを意味している。代償として得られるのは、503bhpと63.7kg-mのパワー、トルクを発揮するV8エンジンなのだ。

ランドローバーは、このV8は、改善されたエンジン・マネジメント・システムによって大幅にそのフィーリングが向上しているという。また、前モデルに組み合わせられていた6速からZF製の8速オートマティックになったのも大きなニュースだ。

ボディはアルミニウム製としたことで、250kgも軽くなっている。そのため、0-100km/h加速が6.2秒から5.4秒に短縮されただけでなく、そのCO2排出量も7%低い322g/kmとなっている。

■どんな感じ?

確かに法外に速い。そう、確かにスーパーチャージャー付きのレンジ・ローバーは速いのひとことだ。V8エンジンは、沈黙しているアイドリング状態から、一気に口笛を吹くようにレブ・リミットまで吹け上がる。特に2500rpmを超えてからのその加速力は明確だ。しかし、スロットル・ペダルを踏み込み、破壊的なパワーを愉しむのだけなのは前モデルまでで、この新しいレンジ・ローバーは、それにしっかりと対応した足回りがある。

前モデルでは、鼻先の重さが気になり、コーナーへの侵入もヨイショという感じであったが、新しいレンジ・ローバーはその軽量化されたボディのせいもあって、実にその部分が改善されている。信じられないことに繊細なフィーリングを持つようになった。

その取扱いの明快さがスーパーチャージャーの魅力であり、ガソリン・モデルならではの、溢れ出るパワーと、パンチの効いたその感触は、ディーゼル・エンジンでは決して味わえないものだ。

しかし、欠点もないわけではない。それは、燃費だ。われわれのテストでは、平均3.6km/l、高速道路上でも6.4km/lという値だったのだ。

■「買い」か?

信じがたいレベルの浪費癖さえ我慢できれば、この5.0リッター・スーパチャージド・モデルは、間違いなくレンジ・ローバの主役だ。しかし、その下の4.4リッターV8ディーゼルは、燃費もよくトルクフルで、しかも安い。

508bhpのV8は、本当にそのパフォーマンスを使う人にとっては必要なものかもしれないが、そうでないとすれば、そして、そのパフォーマンスを誇示するだけにそのオーナーとなるのであれば、英国において、それは恥ずべき行為ということができるだろう。

(ニック・カケット)

レンジ・ローバー5.0 V8 スーパーチャージド・オートバイオグラフィ

価格 98.395ポンド(1,255万円)
最高速度 225km/h
0-100km/h加速 5.4秒
燃費 7.3km/l
CO2排出量 332g/km
乾燥重量 2330kg
エンジン V型8気筒スーパーチャージド4999cc
最高出力 503bhp/6000rpm-6500rpm
最大トルク 63.7kg-m/2500rpm-5500rpm
ギアボックス 8速オートマティック
 
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