マツダ、アクセラに次世代技術を投入し発売

2016.07.14

新世代テクノロジー、SKYACTIV-ビークル・ダイナミクスもあわせて発表

マツダは、スポーツコンパクト・モデルのアクセラを大幅改良し発売した。

新ラインナップとして、最高出力105ps、最大トルク27.5kg-mの1.5ℓクリーンディーゼル・エンジンのSKYACTIV-D1.5を追加。既存の2.2ℓとあわせ2種類のクリーンディーゼル車を揃えたことになる。

今回の大幅改良は、エクステリア、インテリアの意匠変更にくわえて、技術的なトピックも豊富だ。

1つ目は、G-ベクタリング・コントロール(GVC)の市販車初採用(ハイブリッドを除く)である。

これは、ステアリングの微細な動きを検知すると、トルクを絞り荷重を前輪に移すなど、コーナリング性能を高めたり路面不整の影響を軽減する世界初の制御だ。詳しくは既出のGVC試走記事に譲るが、人間の身体感覚に合った車両挙動と走行性を生み出すGVCは、新世代の車両制御テクノロジー体系「SKYACTIV-ビークル・ダイナミクス」の第1弾としてアクセラに搭載。パーツの追加といった重量増を伴わずにワンランク上の走りを体感できるマツダらしい発想の技術だ。
 

マツダの販売の3割を支えるアクセラに新技術を総投入

2つ目は、ディーゼルのノック音(ガラガラ音)を抑えるナチュラル・サウンド・スムーザーのアップグレードである。ピストン・ピンに組み入れたダンパーで振動を減衰するスムーザー機能にくわえて、ナチュラル・サウンド・周波数コントロールを初採用した。これは、燃料噴射タイミングを0.1ミリ秒単位で制御し、共振や加振力を逆位相させるものだ。ディーゼルエンジンは、1回の爆発に複数の噴射をともなうが、このうちメインの噴射ではない(=トルクと関係ない)燃料噴射のタイミングを随時調整することで、ノック音の原因を抑制することに成功した。

3つ目は、ドライバーの視線の先に速度標識を投影する交通標識認識システム(TSR)の初採用である。従来より性能を高めたフォワード・センシング・カメラを搭載したことで、速度標識を認識し、制限速度をアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示。速度超過の通知をするだけでなく、進入禁止や一時停止も判読するようになった。このほかにも、ブレーキ自動制御の検知対象が、車両にくわえて歩行者まで拡大。作動速度域も広がっている。

上記以外にも、2.2ℓディーゼル・モデルへの新世代4WDの搭載、水平基調にリデザインしたエクステリア、質感をアップし計器の視認性を高めたインテリアなど、走行性能だけでなく内外装、快適性能にも手が加わっている。

この半年あまり取材してきたマツダの新技術がひとまとめに採用された形になり、マイナーチェンジの発表にしては、小飼CEO自ら登壇する力の入れようも理解できる改良モデルとなった。

価格はガソリン、ディーゼルともに1,760,400円から3,310,200円。ハイブリッドは2,473,200円から2,879,000円。


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