スコダ・オクタビア2.0TDI DSGエレガンス

公開 : 2013.01.17 17:38  更新 : 2017.05.29 18:40

■どんなクルマ?

チェコ・スロバキアのメーカーが生産するポピュラーなファミリー・ハッチ、スコダ・オクタビアの第3世代のモデルであり、その売上げは全世界的に見ればトップ10に入るモデルでもある。

誰にでも受け入れられるスタイリング、広々としたキャビンと、インテリアの明解なデザイン・タッチ、そして競争力のある価格は、多くのユーザーを捕らえるだけのものがある。確かに、かつてのスコダは低価格だけを売り物にしたメーカーであったが、今はそうではない。オクタビアの下に位置するラピッドも、フォルクスワーゲン・グループのMQBロング・ホイールベース・プラットフォームに基いて造られているが、実に大きな進歩を見せているのだ。

新しいオクタビアは、前モデルと較べて90mm長く、45mm広く、108mm長いホイールベースを持つ。クラスの境界線を超えてしまうという評価もスコダにとっては歓迎すべきことで、事実、新しいオクタビアはひとつ上のクラスに負けないぐらいのキャビン・スペースを持っている。インテリアの長さは1782mm。そしてブート・スペースは500ℓだ。オクタビアよりも上のクラスであるフォード・モンデオの528ℓに近い数値を確保しているのだ。

ひとクラス上にも届きそうなオクタビアだが、そのライバルはフォルクスワーゲン・ゴルフヴォグゾール・アストラ、そしてフォード・フォーカスであるとスコダは考えている。しかし、モンデオ・クラスの購入を考えている人にとっても、オクタビアは充分に考慮に値するモデルであることは間違いない。

昨年後半、われわれはオクタビア1.8TSI DSG SEプラスを試乗したが、英国ではこのガソリン・モデルは販売されない。英国市場向けには1.2TSI、1.4TSIというダウン・サイジングされたガソリン・ユニットと、1.6TDI、そしてトップエンドとなる2.0TDIというディーゼル・ユニットが導入されることになる。

■どんな感じ?

スコダは最新のオクタビアに正確なテクニカル・デザインを与えることに成功している。シャープなエッジを持つきちんとしたボディ・ラインが与えられている。確かに現代的であり、魅力的だが、惜しむらくは先代に比べて個性は少なっくなった気がする。しかし、スコダのデザイナーは、その大きな室内スペースを感じさせないエクステリア・デザインを上手く行なったようだ。

かなりの大きさを持つハッチは、そのサイズのために結構な重さがある。そのハッチを開くと、コンティネンタル・サイズのストレージ・スペースが広がる。また、その広さだけでなく、積み下ろしのためのシルの高さも低く使いやすい。

また、リアのパッセンジャーも、その長いホイールベースの恩恵を受ける。リアのニー・スペースは、47mmから73mmへと拡大しているのだ。また、ヘッド・クリアランスも向上している。

2.0ℓのディーゼル・ユニットは、もちろんフォルクスワーゲン・クオリティで、フレキシブルなトルク・カーブを示してくれる。そのピーク・トルクは32.6kg-mだ。

このディーゼル・ユニットは、激しい加速を見せるとエンジン・ノイズが気になる。しかし、オーディオをオンにしていれば、それも気にならないレベルで、リア・シートで子どもたちが会話をするのを邪魔するほどのものではない。

あなたがDSGを選ぶか、6速マニュアルを選ぶかは個人の問題だ。しかし、DSGは最適なギアをセレクトし、エンジン特性とのマッチングは非常に良い。

この148bhpのモデルまでは、リア・サスペンションにビーム・アクスルを採用する。よりパワフルなモデルは、更に洗練されたマルチ・リンクとなる。しかし、このビーム・アクスルであっても、大部分の路面の凹凸はよく吸収し、路面の継ぎ目などは別としても、落ち着いたハンドリングと乗り心地を提供してくれる。

ステアリングは軽く、オールラウンドに快適なドライブを提供してくれる。充分なフィードバックもあり、何のスリルもドライバーには伝えないものだった。

■「買い」か?

もし、クルマ購入のためのチェックリストに、多くのスペースと実用性、値段、強力なディーゼル・エンジンという項目が、エンスージァスティックなドライブ・フィーリングという項目より上にあるのであれば、このオクタビアはリストの上位に名前を連ねるクルマだ。

もし、エンスージァスティックなドライブ・フィーリングを望むのであれば、後日追加されるであろうvRSバージョンを待つべきだろう。

あとは、あなたが、どのレベルのトリムを必要とするかどうかだ。中間のSEレベルでh,DABラジオ、16インチ・ホイール、デュアル・ゾーン・エアコン、リア・パーキング・センサーを備える。上級のエレガス・レベルになると、17インチ・ホイール、アルカンタラと本革のインテリア・トリムなどが装備される。

ちなみに、SEトリムにして、DSGの代わりに6速マニュアルを選ぶなら、オクタビアの価格は20,140ポンド(284万円)にまで下がるのだ。

(マット・バート)

スコダ・オクタビア2.0TDI DSGエレガンス

価格 23,240ポンド(328万円)
最高速度 214km/h
0-100km/h加速 8.6秒
燃費 22.2km/ℓ
CO2排出量 119g/km
乾燥重量 1350kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル
最高出力 148bhp/3500rpm-4000rpm
最大トルク 32.6kg-m/1750rpm-3000rpm
ギアボックス 6速デュアル・クラッチ

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