Automotro Retro Lingotto   トリノならではのクラシックカー・ショー

2018.2.1-4

トリノのフィアット・リンゴット工場跡地にある会場で開かれたのがアウトモトーロ・レトロ・リンゴットです。トリノから送り出された新旧様々なクルマたちの展示を中心に車両やパーツの販売も行われ、イタリアのクルマ趣味の深さを感じさせる濃い内容です。

text & photo : Kunio Okada(岡田邦雄)

アウトモトーロ・レトロ・リンゴットとは?

イタリア統一運動の最初のステージとなったトリノは啓明的で進取の気性を持つ人々が集まる都市であり、イタリアで自動車産業が揺籃し発達したのも、この風土があったからである。まずチェイラーノ兄弟がいて、それからフィアットランチア、モレッティ、シアタなどが生まれた。

フィアットが強大化するなかで、多くの関連工場ができて、様々なクルマが生み出され、さらにまたボディのデザイン/制作の工房たるカロッツェリアはイタリアの自動車産業の他の地域では見られない特質となった。自動車の歴史のなかで、トリノから世界に新しいデザインを発信したヴィニャーレ、ピニンファリーナ、ベルトーネ、イタル・デザインなどの功績は大きい。

トリノならではのクラシックカー・ショー

そのトリノにて1923年に竣工して、かつては世界の最先端を誇ったフィアットのリンゴット工場跡地の会場で開催されるアウトモト・レトロは、やはりトリノならではの、トリノらしいクラシックカー・ショーであった。

今年で38回目の開催となり、イタリアの各メイクスのオーナーズ・クラブや、クラシックカーの販売業者、そしてカテゴリーごとに充実した品ぞろえが自慢の部品ショップや自動車書籍専門店、モデルカー専門店などが集まっているのは、他のクラシックカーのイベントと同様である。

主役はトリノ生まれのクルマたち

しかし、ここでおのずとスポットライトが当てられるのがイタリア車であり、そのなかでも、とりわけフィアット、ランチア、アバルトなど、トリノに生まれ歴史を築いてきたクルマたちだ。トリノから送り出された古今のベイシックモデルからラリーやレーシング・マシンまでが一堂に並ぶのは、他のイベントでは見られぬ光景といえよう。

これらのトリネーゼこそがここでの主人公であり、その栄光の歴史と多彩な姿を目の当たりにして、トリノの自動車産業が自動車の歴史上、大きな役割を担ってきたことを、あらためて確認したのだった。

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