愛車がリコール 対処しないと、どうなる? そもそもリコールとその仕組みとは

公開 : 2019.09.07 06:00  更新 : 2021.10.13 14:01

自分のクルマがリコール対象になった場合、何もしないとどうなるのでしょうか。その前に、そもそもリコールとは? リコールになる流れとは? 小鮒康一がまとめました。

「リコール」 どんなもの? どんな影響?

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

リコール=ネガティブなイメージ?

自動車を所有しているひとであれば一度は聞いたことがあるであろう「リコール」というキーワード。

皆さんの中にも実際にリコールを受けたというひともいれば、何台もクルマを乗り継いでいるけれど、一度も対象になったことがないというひともいることだろう。

そもそもの設計や製造の過程で問題があった部分を正常化のがリコール。
そもそもの設計や製造の過程で問題があった部分を正常化のがリコール。

ややもするとネガティブなイメージも付きまとうリコールだが、実際にリコールを実施しないとユーザーにはどんな影響があるのだろうか?

そもそも「リコール」とはなにか?

耳にはするけれど、意外とどういうことを指すのかハッキリわかっていないひとも少なくないリコール。

このリコールとは、設計/製造過程に問題があったことがわかった段階で、自動車メーカーが自らの判断によって国土交通大臣に事前届出をおこなった上で回収/修理をおこない、事故/トラブルを未然に防止する制度のこと。

工業製品である自動車は、当然日常的に使用していれば各部が消耗/摩耗などを起こし、故障やトラブルが発生するものだが、リコールは一般的な使用でのトラブルの修理ではなく、そもそもの設計や製造の過程で問題があった部分を正常化するものというわけだ。

いわばメーカー側の責任で修理、改修を実施するということであり、当然その作業に費用は発生しない。

リコールとなるまでの流れは?

リコールとなるにはその基となる情報が必要となるが、これは実際にその車両を使用しているユーザーからのフィードバックが主となる。

それはユーザーと直接接する販売店からの情報はもちろん、国土交通省が運営する「自動車の不具合情報ホットライン」へ寄せられた情報も活用される。

リコールが必要かどうかは、メーカーと行政双方がクロスチェックをしている。
リコールが必要かどうかは、メーカーと行政双方がクロスチェックをしている。

その不具合がユーザー起因のものか、車両の設計/製造段階での問題なのかを精査し、リコールが必要と判断されればリコールの届け出がなされる、という段取りとなっている。

メーカー側がリコールと判断しない場合でも、国土交通省側でリコールが必要と判断した場合は勧告/命令をおこなうこともあり、メーカーと行政双方がクロスチェックをしていると言えるだろう。

リコールの連絡が来る仕組みは?

リコールの届け出がなされると、該当する車両を使用しているユーザーにはがきや封書などでお知らせが届くが、これは現在登録されている車検証の情報を基に送付されている。

そのため、引っ越したまま住所変更をしていない場合は届かない可能性がある。

国土交通省のサイトでは、自分のクルマがリコール対象化どうかが調べられるようになっている。
国土交通省のサイトでは、自分のクルマがリコール対象化どうかが調べられるようになっている。

その場合は国土交通省のサイトに車体番号、もしくはシリアル番号で検索できるページがあるのでそちらでチェックしていただきたい。

なお、リコールの届け出がなされるのは日本国内で正規に販売された車両のみであり、並行輸入や逆輸入された車などは対象とならないので注意が必要だ。

このような車両に乗っているユーザーは必要に応じて本国のサイトなどで情報を収集するほかない。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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