【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選

公開 : 2020.05.23 07:20

各自動車メーカーがEV時代に向けた取り組みを進めるなか、もはや絶滅危惧種となった感のあるマニュアルギアボックスですが、そんないまだからこそ、最高のマニュアルモデルに乗っておくべきなのかも知れません。

時すでに遅し?

text:James Mills(ジェームズ・ミルズ)

誰もが信念を持っている米国では、「Save the stick」(マニュアルギアボックスを守れ!)と書かれたさまざまな衣服を購入することが出来るだけでなく、こうした主張を支持するひとびとのためのステッカーまで用意されている。

あるクルマのリアには、「盗難防止装置:このクルマはマニュアルトランスミッションです」と書かれていた。

アウディR8のアルミニウム製シフトゲート
アウディR8のアルミニウム製シフトゲート

なかなか興味深い警告だが、ここにはある重要な真実が隠されている。

いま自動車業界では、ドライバーがステアリング操作に集中出来るなどと言ってマニュアルギアボックスを無くす方向へとシフトしているが、トランスミッションの選択肢が減っている本当の理由とは、コストと排ガス規制にあるのだ。

そして、特にスポーツカーがより強力なエンジンを積むようになっているいま、平均的なドライバーであればあっと言う間にクラッチやトランスミッションをダメにしてしまうという現実もある。

だが、例えマニュアルギアボックスから得られるドライビングの楽しさを除いたとしても、実際にはオートマティックトランスミッションにすべてを任せるよりも、自ら操作を行うことでドライバーはより注意深くなれはずだ。

両手両足を使うことでスマートフォンなど忘れてクルマの操作により集中出来るとともに、もし素晴らしいギアボックスを積んだモデルであれば、アップシフトやダウンシフト、そしてヒール&トウを完ぺきにこなすという、さらなるドライビングの楽しみを味わえるに違いない。

だが、確かにもう時すでに遅しだ。

EVがマニュアルギアボックスの息の根を止めることになるだろう。

だからこそ、シフト操作というシンプルな行為を楽しみたいのであれば、クルマとの繋がりを楽しませてくれるモデルを大切にすべきなのだ。

今回はそんな価値ある10台をご紹介しよう。

ケータハム・セブン

1993年に導入された6速マニュアルギアボックスがセブンにもたらしたものの大きさは計り知れない。

クロスレシオのこのユニットは軽量なロードスターにさらなる活気を与え、高回転型のローバー製Kシリーズエンジンの実力を存分に発揮させるとともに、各段の繋がりも申し分なかった。

ケータハム・セブン
ケータハム・セブン

このトランスミッションは当時もいまももっとも短いシフトストロークを誇り、30年近く経過した現在でも最高のマニュアルギアボックスのひとつであることに変わりはない。

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