【水素技術、勝者になるか?】ジャガー・ランドローバーの動向に注目 グリーン水素がキーか

公開 : 2020.09.29 11:53

JLRが取り組む「水素燃料」の研究。関連する人材の採用も進んでいます。EV・電動モデルだけでは、排出削減の目標達成が難しいと考えるヨーロッパ。時代は、水素にシフトする可能性があると、レポートされています。

もくじ

環境にやさしい「グリーン水素」
水素燃料への移行
エネルギーの常識を変える
貯蔵に関する問題も解決か

環境にやさしい「グリーン水素」

英国政府は、今年の初め、CO2排出量を削減するためのさまざまな自動車プロジェクトに7300万ポンド(101億7500万円)を投資すると発表している。

ジャガー・ランドローバー(JLR)が取り組む、水素燃料研究のプログラム「プロジェクト・ゼウス」も、同じ時期に明らかにされている。

次期型レンジローバー AUTOCARイメージ図
次期型レンジローバー AUTOCARイメージ図

JLRは、デルタ・モータースポーツ、マレリ・オートモーティブ・システムズ、およびUKバッテリー工業化センターと協力して進めているという。

資金面で関わりのあるアドバンスド・プロポージョン・センターは「航続距離が長く、充填が早い、高いけん引能力およびオフロード性能、低温性能など、ジャガー・ランドローバーの特徴を備えた、ゼロエミッションのプレミアム燃料電池SUVコンセプトを提供します」と述べている。

JLRは、2019年3月に新しい水素および燃料電池の責任者として、ラルフ・クラークを採用している。

クラークは、2016年から中国のメーカー、長城汽車で燃料電池研究開発のディレクターを務めた経験を持つ。また、JLRが、水素に関する知見をもつエンジニアの採用に積極的だという情報もある。

一方で、「環境にやさしい」水素製造のための数多くのプロジェクトが、最近、ヨーロッパ全土で発表されている。

水素燃料への移行

英国政府は最近「脱炭素エネルギーとしての、水素の開発のために」水素諮問評議会を設立した。

現在、世界の水素生産の多くは、化石燃料である天然ガスからの水素の抽出、つまり改質と呼ばれるプロセスによって行われているため、これは「ゼロカーボン」と見なすことはできない。

次期型レンジローバー AUTOCARイメージ図
次期型レンジローバー AUTOCARイメージ図

ただし、水素は、風力タービンなどからの再生可能電力を使用して、電気分解と呼ばれるプロセスを通じて海水を水素と酸素に「分解」することによっても、生成が可能となっている。

予測を専門とするIHSマークイット社は「環境にやさしいグリーン水素の製造コストは、2015年以降50%減少し、2025年までに30%減少する可能性があります」と述べている。

IHSマークイットはまた、水素の接触分解への投資は、今後数年間で大幅に拡大すると述べ「スケールメリットが、グリーン水素のコスト面での競争力を高めるでしょう」

「2023年に予定されているパワー・トゥー・エックス・プロジェクトの平均スペックは100MWであり、現在の最大のプロジェクトの容量の10倍となります」と述べている。

EVバッテリーへ寄せられる信頼と、そのパワーと容量の向上にもかかわらず、ヨーロッパ各国政府の考え方は急速に変化している。

「電動化だけでは、ヨーロッパの多くの国が目指すレベルの、排出削減の目標を達成できないことは、周知の事実となっています」とIHSマークイットのキャサリン・ロビンソンは指摘する。

 

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