ポルシェ・マカン

公開 : 2013.12.13 22:00  更新 : 2017.05.29 19:05

ここ最近、ポルシェがフォルクスワーゲン・グループとプラットフォームを共有することも珍しいこともなくなった。現在、ポルシェのセールスのおよそ半分を占めるカイエンは、フォルクスワーゲン・トゥアレグと同じベースの上に設えられたモデルだ。しかし、フォルクスワーゲンとプラットフォームを共用する場合、多くはフロント・エンジン、リア・ホイール・ドライブというFRレイアウト。しかもエンジンの搭載位置はノーズからかなり後方にセットされたものだった。

しかし、マカンの採用したアウディのプラットフォームは、フロント・アクスルよりも前方に、エンジンを縦方向に搭載するユニークなレイアウトが採用されている。ポルシェはマカンをスポーツカーと称しているようだが、そのレイアウトからすれば理想的なベースとは言いがたい。

実際、マカンはアウディQ5の兄弟車だ。しかしクローン・モデルではない。ポルシェによれば3分の2ほどのパーツが取替えられたかモディファイされているという。AUTOCARは、マカンとQ5はフロアとクラッシュ構造を共用していると見ている。もちろん、ポルシェがスプリング、ダンパー、アンチロールバーに専用のチューニングを施し、クイック・ステアリングを与え、そして6ポッド・キャリパーのブレーキを与えてはいるが、前後のサスペンション・セットアップは基本的には同一であろう。Q5には用意されず、マカンだけに装備されるオプションのエア・サスペンションを除いてはということにはなるが。

最大の違いは、ポルシェ独自開発の7速PDKが採用されたことだこれは、通常80%の駆動力をリア・ホイールに分配する。そのため、より強力なファイナル・ドライブ・ユニットがリア・アクスルに取り付けられる。ポルシェがいうところの”ハングオン”4WDドライブ・システムだ。基本的にそのパワーはトランスミッションからリア・アクスルに送られ、必要に応じてフロント・アクスルにプロペラシャフトを通して伝えられるというもの。リア・ホイールにまったくトラクションが必要なければ、そのパワーを100%フロントに送ることも可能だ。

マカンはアウディQ5よりも低いドライビング・ポジションを持つ。シート・マウントも変更され、ステアリング・コラムの位置も代えられた。より911ライクなポジションが与えられたというわけだ。そのデザインは、現行のポルシェ・ファミリーと共通のもので、スポーツ・シートが装備される。

ただし、実際のマカンは、そのカーペットの下にアウディQ5が隠れているということも忘れてはならない。とはいうものの、ポルシェのエンジニアによれば、マカンはシャープなステアリング、スマートな加速とシフト・アクションを持つ、このサイズでは最高のレスポンスのSUVに仕上げたのだという。

ボディ・サイズは、カイエンの小さな兄弟車というとこもあり、カイエンほどの居住性は求められない。コクピットは充分満足の行く心地よさをもっており、180cm級のドライバーでも充分なスペースを持つ。その一方で、リアの居住性は少々窮屈だ。また、トランクも高いフロアと傾斜のきついゲールゲートによって、ゆったりとしたサイズとはいえないかもしれない。

テスト・トラックでのほんの数周のドライブであったが、クラスをリードするというレスポンスを味わうには充分なものだった。ドライブしたのは、254bhpを持つ3.0ℓV6ディーゼルを搭載るマカン・ディーゼルSで、0-100km/h加速6.3秒、燃費は16.4km/ℓというモデルだった。パナメーラやカイエンにも搭載されるこのエンジンは、ミッド・レンジでの厚いパワーを持った洗練されたユニットで、ガソリン・エンジンが不要とも思えるもの。

強力にプッシュしたにもかかわらずアンダーステアはほとんどなく、フロント57、リア43というウエイト・スピリットのマカンはQ5より明らかにノーズ・ヘビーな感じがしないのだ。また、エア・サスペンションは、40mmも車高を高くすることも可能で、すぐれたオフロード能力をもっていた。

マカンは明らかに活発で機敏なモデルだ。ドライバーはポルシェのコクピットに収まり、ポルシェらしいドライビングが可能だ。ハイエンドのアウディQ5に対しても、非常にコンペティティブな存在となろう。

マカンは1年に50,000台の生産が予定されているが、戦略的な価格がつけらることも予想され、長いウエイティング・リストができることが容易に想像がつく。

▶ 海外初試乗 / ポルシェ・マカン4×4プロトタイプ

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