レンジローバー・イヴォークSI4ダイナミック

公開 : 2013.12.19 22:00  更新 : 2017.05.29 19:20

■どんなクルマ?

2014年モデルとして、修正を受けたレンジローバー・イヴォークだ。エクステリアの変化は、ランドローバーのバッジが代わり、新しいデザインのアロイホイールが与えられたことぐらいだ。また、ボディ・カラーにはいくつかの新色が加えられている。

それよりも重要な変化は、ドライブラインにある。従来の古臭いZF製の6速オートマティックに代わって、今年の初めにSD4プロトタイプで披露された9速オートマティックが採用されたのだ。これにより、パフォーマンス、洗練さ、乗り心地、そして燃費すべてが向上しているという。このトランスミッションは2.0ℓディーゼル・ターボのSD4と、2.0ℓガソリン・ターボのSI4に搭載される。

237bhpのガソリン・エンジンを搭載するSI4は、もうひとつ新たな変化がドライブトレインにある。アクティブ・ドライブラインとネーミングされたインテリジェント4WDシステムが与えられたことだ。これは35km/h以上でのクルージングの際には、自動的にリア・ホイールへのパワー伝達をカットするというもの。但し必要に応じて10分の3秒で再びパワーをデリバリーすることが可能だ。また電子制御の”eデフ”も装備される。

この他、新しいドライバー・アシスタント・システムも2014年モデルには採用された。このドライバー・アシスタント・システムは、パーク・アシスト、アクティブ・セーフティ・システム、水深を検知するウェード・センサーなどが含まれる。

■どんな感じ?

新しいギアボックスの採用は、イヴォークのドライブ・フィーリングを激変させたといっても良い。ギアが何速に入っているかを感覚で掴むことは難しいが、インジケーターがそのギア・ポジションを教えてくれる。しかし、その継ぎ目をほどんど感じさせない変速は、CVTのように感じる。

80km/hのクルーリングでは、エンジン回転数は2000rpm程度。しかし、右足に力を込めると、即座にギアダウンをしてくれる。また、ギアを一つだけ落としたい時なども、スロットルのコントロールで調整可能だ。最小限のペダル操作で必要なパワー、スピードが導き出せる素晴らしいものである。

パドル・シフトでマニュアル・モードとしてドライブすることが可能だが、これにはギアが9つあるので、多少の慣れを必要とする。おおよそパドル・シフトで1速落とすと、500rpmほど回転は上がる。しかし、レーンチェンジやコーナーの侵入のために3速以上シフトダウンすると、レーンチェジやコーナリングを終えた後、どのギアまで戻さなければならないかを忘れてしまう恐れがる。

総合的に見ると、トランスミッションはSモードを選択するのが正解のようだ。

イヴォークのハンドリングは、アウディQ3 RSやアルピナXD3といったモデルをテスト・ドライブした経験もあるが、それらに充分対抗することのできる優れたものだった。機敏で正確で、またスポーティとのバランスも良かった。ステアリング・ホイールは小径で、適度な重さを持つ。接地面からのフィードバックも良好だ。

このイヴォークSI4は、現在買うことのできるSUVの中で最も快適なSUVかといえばそうではない。快適性よりもスポーティさを重視したモデルと感じる。それでも、長距離ドライブではリラックスした運転が可能だ。

今回の試乗では著しく路面状態の悪い場所を走ることはできなかったが、新し4WDシステムのハンドリングとバランスは以前とは変わりないようだ。それでいて、一定のスピード以上でリア・ホイールへのパワー伝達をカットすることで経済性がアップしているのだから有り難い。事実、山道、都市部、そして幾らかの高速を入った今回のテストルートでも11.7km/ℓをマークしたのだった。

■「買い」か?

ガソリン・エンジンのSUVを購入しようとするのは、今では明らかに少数派だ。しかし、そうであるのなら、このSI4を候補から除外すべきではない。さすがにそのスポーティさではアウディRS Q3には叶わないが、そもそも同じカテゴリーではないし、トータル・バランスと言う面からすれば、アウディよりも優れているといえる。ジャガー・ランドローバーの “エンジニアード・トゥ・オーダー”部門は、これよりもホットなイヴォークを造り出すかもしれない。

例え、そういったモデルが出なかったとしても、このゲイドンのベビー・ランドローバーは、その対価に相応しいパフォーマンスを持った1台ということができる。

(マット・ソーンダース)

レンジローバー・イヴォークSI4ダイナミック

価格 £41,000(698万円)
最高速度 217km/h
0-100km/h加速 7.1秒
燃費 12.8km/ℓ
CO2排出量 181g/km
乾燥重量 1640kg
エンジン 直列4気筒1999ccターボ
最高出力 237bhp/5500rpm
最大トルク 34.7kg-m/1750rpm
ギアボックス 9速オートマティック

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