JLR 改良新型レンジローバー・イヴォーク発表 タッチスクリーン大型化、グレード見直し

公開 : 2023.06.22 06:25

JLRはレンジローバー・イヴォークの改良新型を欧州でプレビューしました。11.4インチの曲面ディスプレイを新たに採用し、すっきりとしたインテリアデザインに変更。PHEVのバッテリーも強化されています。

インテリア刷新 機能強化、装備も充実

JLRは、レンジローバー・イヴォークの改良新型を欧州で発表した。よりシンプルなグレード構成と、最上級のレンジローバーにインスパイアされたインテリアデザインが採用されている。

特徴の1つとして、新型レンジローバー・ヴェラールやランドローバー・ディスカバリー・スポーツと共通の、11.4インチの曲面インフォテイメント・タッチスクリーンも新たに導入された。

改良新型レンジローバー・イヴォーク
改良新型レンジローバー・イヴォーク    JLR

改良新型レンジローバー・イヴォークでは、クライメートコントロールを含むすべての主要機能が新しいスクリーンのソフトウェアに統合されている。また、ダッシュボードの下に備わっていた従来のクライメートコントロールパネルは、ワイヤレス充電パッド付きの収納スペースに変更された。

JLRによると、タッチスクリーンの両脇にあるサイドバーから重要な機能にいつでもアクセスでき、80%のタスクを2回のタップで実行できるという。

アップル・カープレイとアンドロイド・オートのスマートフォン・ミラーリング機能が標準装備され、アマゾン・アレクサのボイスコマンドにも対応。Wi-fi接続とデータプランにより無線アップデートが可能となった。

リモートアプリも複数用意され、リモートでのロック/ロック解除、室内のプリコンディショニング、スケジュール充電(PHEVモデルの場合)などができる。

デジタル技術のアップグレードと並行して、インテリアにはPM2.5対応の新しい空気浄化システムと、クヴァドラ(Kvadrat)ウールなどのさまざまなファブリック素材が導入されている。JLRによると、この素材はレザーよりも58%軽量だが、10年間分の使用に相当する6万サイクルの摩耗テストに合格しており、堅牢性は同じだという。

電動パワートレイン拡大 グレード構成も変更

パワートレインのラインナップも見直され、エントリーグレードのD165ディーゼルのMT車を除き、全車48VマイルドハイブリッドまたはPHEVとして電動化された。

P300e PHEV は、14.9kWhのバッテリーの改良により、電気のみの航続距離は61kmから63kmに伸びた。これは、実走行距離で最大48kmに相当するとのことだ。P300eにはDC急速充電機能もあり、50kWでは30分で充電が完了する。7kW(家庭用ウォールボックスなど)を使用した場合、充電には約2時間かかる。

改良新型レンジローバー・イヴォーク
改良新型レンジローバー・イヴォーク    JLR

その他のパワートレイン(D165とD200ディーゼルエンジン、P200とP250ガソリンエンジン)は、AT付きの48Vマイルドハイブリッドである。

英国では、グレード構成は「S」、「ダイナミックSE」、「ダイナミックHSE」、「オートバイオグラフィー」の4段階に簡素化された。

価格は、Sグレードの非ハイブリッド、MT、D165モデルが4万80ポンド(約720万円)から。これは、改良前の同等グレードと比較すると2440ポンド(約40万円)、従来のエントリーモデルと比較すると6010ポンド(約110万円)の値上げとなる。

JLRは、改良新型イヴォークの納車開始時期についてまだ正式には公表していないが、「供給の確信」が得られた時点で生産規模を拡大する予定である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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