【日産版も存在した】オースチン・ケンブリッジ/ウェストミンスター 英国版クラシック・ガイド 後編

公開 : 2021.02.14 17:45

1950年代の英国を代表するクラシック。戦後の日産も、かつてライセンス生産していました。古き良き英国を楽しめる、素晴らしいチョイスだと英国編集部は評価します。

もくじ

定期的なメンテナンスで寿命を延ばせる
不具合を起こしやすいポイント
ケンブリッジ/ウェストミンスターのまとめ
オースチン・ケンブリッジ/ウェストミンスター(1954〜1971年)のスペック

定期的なメンテナンスで寿命を延ばせる

text:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:James Mann(ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

  
オースチン・ケンブリッジのA40の場合、現代の交通の流れに合わせるのは楽ではないものの、A50やA55は充分な活気がある。ウェストミンスターなら、もどかしくない動的性能を発揮してくれる。

最低地上高は高く、乗り心地に優れ、チューニングの余地も大きかった。ラリーで根強い支持を集めたことも、うなずける内容だといえる。オーナーによってはファイルレシオを上げて、クルージング時の安楽さを高めている場合もある。

オースチン・ケンブリッジ/ウェストミンスター(1954〜1971年)
オースチン・ケンブリッジ/ウェストミンスター(1954〜1971年)

通常のケンブリッジなら、コーナリングでのアンダーステアやボディロールは当たり前。しかし、緩すぎたり不安定になることはない。

エンジンの状態はよく確認しておきたい。ケンブリッジの場合、MGAやMGB仕様にアップグレードされている例が少なくない。ウェストミンスターの場合は、ヒーレー3000仕様にするオーナーも多かった。

エンジンは摩耗が進むと水色の煙を上げ、振動が生じてくる。パワーが著しく落ちている場合は、キャブレターや点火系の劣化の可能性が高い。怪しい場合は圧縮比を確かめると良い。無鉛ガソリンは、最終的にバルブシートの不具合を招く。

長期間乗っていないでエンジンを始動すると、ピストンリングの破損を招くことも。整備は1600km毎に行う18か所のグリスアップと、4800km毎のエンジンオイルとフィルター交換が基本。これを怠ると、エンジンの摩耗は急速に進む。

ゴム製のブッシュ類は、オイルの付着で劣化が早くなる。ステアリングラックからは、フルード漏れする場合がある。レバーアームで結ばれたショックアブソーバーは、構造としては古いが、メンテナンスしていれば常用に問題ない。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

各所の錆は避けられない。特にサイドシルとフロントシャシー・レッグ、フロント・サブフレームなどは弱点の典型。サスペンション周りを中心としたリアシャシー・レッグにフロア、リアバランスパネルなども錆びやすい。

前後のフェンダーも錆びる。ボディパネルの継ぎ目の状態も、観察しておきたい。ボディトリムは、新品での入手は不可能。中古でもなかなか見つからない。

エンジン

オースチン・ケンブリッジ/ウェストミンスター(1954〜1971年)
オースチン・ケンブリッジ/ウェストミンスター(1954〜1971年)

距離を走ると、白煙やオイル漏れ、振動などが生じてくる。多くの部品はまだ入手可能だが、英国でも専門家によるリビルドは費用がかさむ。

ウェストミンスターの直列6気筒はオースチン・ヒーレーと共有で、部品は手に入りやすい。耐久性も高く、長く活発さを楽しめる。

ケンブリッジの直列4気筒エンジンは、Bシリーズとして多くのクルマに採用されたユニット。その恩恵は少なくない。ただし、1200cc版の部品は見つかりにくい。無鉛ガソリンの場合、オーバーヒートにも注意が必要。

オースチンはゼニス社製のキャブレターにこだわっていたが、モーリスやMGではSU社のものを利用していた。SUへの交換は難しくない。

トランスミッション

多くはコラムシフトで、リンケージやシンクロ、ベアリング類は摩耗しやすいポイント。今回の試乗車のように、ボルグワーナー社製のATは珍しい。

ステアリングとサスペンション

ステアリングラックは、経年劣化が進む。リビルド費用は安くはない。

ダンパーは抜け、キングピンはすり減り、ブッシュは機能を果たさなくなる。ケンブリッジの場合、リア・スプリングは弱点の1つ。フロント・サスペンションはヘタリがち。リビルドは可能だが、充分な予算を見ておきたい。

インテリア

ベースグレードを除き、内装はレザー張り。英国の職人なら充分修復できる。オリジナルで状態の良い内装ならラッキーだ。

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