「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 前編

公開 : 2024.11.02 18:05

都会の喧騒からかけ離れた静かな丘の中腹で、何千台ものクルマが静かに「余生」を送っている。米ミネソタ州の巨大ジャンクヤードで見つけた掘り出し物をいくつかご紹介したい。

ミネソタ州のジャンクヤード探訪記

米国ミネソタ州ニューロンドンにあるウィンディヒル・オートパーツ(Windy Hill Auto Parts)は、1964年にアラン・バジャリ氏とパット・バジャリ氏によって設立されたジャンクヤードだ。

現在も家族経営が続いており、丘の中腹には役目を終えた何千台ものクルマが並んでいる。中には1900年代初頭の古いクラシックカーもあり、静かに部品の引き取り先を待っている。今回は、取材班が見つけた興味深いクルマを紹介したい。

ジャンクヤードで見つけた興味深いクルマを前後編にわけて紹介したい。
ジャンクヤードで見つけた興味深いクルマを前後編にわけて紹介したい。

年中無休

ウィンディヒル・オートパーツは、なんと年中無休だ。驚くほど多くのスペアパーツを取り扱っており、ウェブサイトには「エンジン、トランスミッション、タイヤ、フロントガラス、コンピューターから時計まで、高品質の中古自動車部品を販売中」と書かれている。

欲しいものがあれば、電話一本で米国本土48州に発送してくれる。では、この巨大なヤードに足を踏み入れてみよう。

年中無休
年中無休

スチュードベーカー・チャンピオン(1951年)

取材班がウィンディヒル・オートパーツを訪問したとき、これが事務所の外、道路わきのすぐそばに停まっていて、我々の目を釘付けにした。6気筒エンジンとオートマチック・トランスミッションを搭載した、1951年式のスチュードベーカー・チャンピオンだ。

この先どんなクルマに出会えるのか、期待に胸が膨らむ。

スチュードベーカー・チャンピオン(1951年)
スチュードベーカー・チャンピオン(1951年)

キャデラック・エルドラド(1987年)

このジャンクヤードでは古いクルマを専門に扱っており、特に戦前のクラシックカーの素晴らしいコレクションを誇るが、比較的新しいものもいくつかある。その中に、1987年式キャデラック・エルドラドを見つけた。こうした小型の高級車の人気があまり高くないのは残念だ。錆び1つないこの個体は、保存に値するだろう。

キャデラック・エルドラド(1987年)
キャデラック・エルドラド(1987年)

ルノー・ル・カー

欧州で絶大な人気を誇ったルノー5(サンク)は、1972年から1986年の間に550万台が売れた。一時期は欧州のベストセラー車にもなったが、米国では空振りに終わった。米国では1976年から1980年にかけて、「ル・カー(Le Car)」という名でAMCのディーラー1300店舗で販売された。

大半の車両はずっと前に姿を消しており、これはかなり希少な1台となっている。最近、新型ルノー5が発表された。今度はEVだが、米国での販売にはあまり期待できない。

ルノー・ル・カー
ルノー・ル・カー

シボレーインパラ

このシボレー・インパラの4ドア・セダンは1973年に登場した。当時の米国の自動車業界は大いに盛り上がっており、同年の総販売台数は1190万台に達した。シボレーが258万台を販売して首位に立ち、フォードが240万台で続いた。

シボレー・インパラ
シボレー・インパラ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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