【ラリーレジェンドを復刻】MST Mk2 ステージ2へ試乗 新ボディ+2.5Lデュラテック 前編

公開 : 2021.07.24 08:25

フォードを代表するラリーマシンの1台、Mk2エスコートを専門ショップが復刻。新造ボディにデュラテック4気筒が載る1台を、英国編集部が評価しました。

ラリードライバーから愛されたエスコート

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
1980年8月の歴史的な出来ごとといえば、マイクロソフト初のOS、ゼニックス誕生や、アバディーン大学が開発した全身MRIの発表などが挙げられる。英国の音楽シーンでは、デビッド・ボウイとアバがトップチャートを競っている時期だった。

クルマは、といえば、Mk2フォード・エスコートが生産を終えたのが1980年8月。英国ヘイルウッド工場から、最後の1台がラインオフしている。

MST Mk2 ステージ2(英国仕様)
MST Mk2 ステージ2(英国仕様)

普通の乗用車として、悲しんだ人は多くなかったかもしれない。板バネのリジットアクスルに後輪駆動という古風なレイアウトで、3代目のFFにOHCエンジンという組み合わせは、遥かにモダンな内容として受け止められた。

しかしラリーカーとして振り返ったとき、Mk2エスコートは別格になる。アリ・バタネンはエスコートRS1800を駆り、世界ラリー選手権で初優勝を獲得している。

先日開かれたグッドウッド・フェスティバルでは、元コ・ドライバーのデビッド・リチャーズと、オリジナルマシンとの再会が叶った。素晴らしい光景だった。

ラリーマシンは、ターボチャージャーの四輪駆動という時代に突入していく。それでも手頃な価格とハンドリングの良さから、エスコートはアマチュア・ラリードライバーから愛された。

Mk2エスコートの生産終了から数年後には、マシン開発のスペシャリストと、マシンを維持するためのサプライヤーというビジネス構造が確立する。今ではラリーカーのベースとしての需要が供給を上回り、価格は上昇したまま下がってこない。

MST社が仕上げる真新しいMk2

多くのMk2エスコートが、現役でラリーイベントを走っている。近年はメカニズムに大きな手が加えられ、300psのエンジンにシーケンシャル・トランスミッションが組まれたような例もある。

ラリー用エスコートの部品開発と供給を展開している企業の1つが、英国のモータースポーツ・ツールズ(MST)社。サプライヤーだけでは飽き足らず、新鮮な部品を組み合わせて、真新しいエスコートを完成させてしまった。

MST Mk2 ステージ2(英国仕様)
MST Mk2 ステージ2(英国仕様)

今回ご紹介するのは、オリジナルのフォード・エスコートではない。ウェールズに拠点を置くMSTは、商標利用の権利も取得していない。

それでもMST Mk2は、基本的にはまったく新しい、公道走行が可能なエスコートだ。デモ車両の画像が2021年初頭に公開されると、世界中から多くの問い合わせが寄せられたという。

購入を考える一部の人は、豪快なトップエンドのラリーウエポンを探しているらしい。それ以外の多くの人は、それほどアグレッシブな仕立ては望んでいない。今回の試乗車のように、ラリーにも出られるが、公道でも扱いやすいエスコートがご希望のようだ。

真っ赤なMk2には、MST社が長年開発してきたアップグレードの内容が、惜しみなく盛り込まれている。ロールケージにグループ4仕様のオーバーフェンダー、6リンクで支持される、強固なリアアスクルなど。

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