【ドライ/ウェット/スノーで試す】新オールシーズンタイヤ「ミシュラン・クロスクライメート2」の進化

公開 : 2021.08.18 14:00  更新 : 2021.10.09 22:23

ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート2」発表。新旧を比較して感じる着実な進化を解説します。

雪道も走れる夏タイヤ 最新版登場

editor:Taro Ueno(上野太朗)

夏タイヤでありながら、雪道にも対応可能。

それが近頃よく耳にするようになった「オールシーズンタイヤ」の売り文句である。

ミシュラン・クロスクライメート2
ミシュラン・クロスクライメート2    ミシュラン

冬はスタッドレスタイヤに履き替え、それ以外はサマータイヤで過ごすことが一般的になっている日本市場においてオールシーズンタイヤに脚光が当たったのはここ10年ほどのこと。

しかしヨーロッパをはじめとする特定の地域では、以前から冬の定番タイヤとして普及していたので、ポッと出のニューカマーというわけではない。

当然ミシュランも「クロスクライメート」という名称のオールシーズンタイヤをラインナップしており、日本市場では2019年初頭から本格販売を開始している。

それからわずか2年半ほどで、今回紹介するニューモデル「クロスクライメート2(以下、CC2)」の登場となるわけだが、初代クロスクライメート(以下、CC)の実際のデビューは2015年なので、そろそろ新型が出てもいいタイミングだったわけだ。

オールシーズンタイヤだけに、CC2の評価を雪上だけで下すことはできない。

今回は2月の北海道、士別の雪上だけでなく、6月に北関東のドライ路面においても試乗できたので、双方のシチュエーションに分けてお伝えしていこう。

スタッドレス1歩手前の安心感 新旧比較

CC2をはじめて試したのは今年2月、北海道、士別にあるテストコースだった。比較タイヤはもちろんCC、先代モデルである。

トレッドの中央に向けて深いグルーブがV字を作るトレッドパターンは先代とよく似ている。

ミシュラン・クロスクライメート2
ミシュラン・クロスクライメート2    ミシュラン

だがV字の角度や溝が外に向かって広がっていく形状など、細かな違いはある。

他社製品でもそうだが、雪を掴むような大胆なV字のトレッドパターンはオールシーズンタイヤの定番になっているようだ。

スタッドレスの場合は氷上性能が重要視されるが、オールシーズンの試乗は圧雪路がメインとなる。

新旧の差は定常円を回ったときすぐに感じられた。

ステアリングの初期応答も的確で、旋回スピードもCC2の方が明らかに速い。滑り出しも穏やかなので対処も容易。

テスト車輛がAWDのカローラだったこともあるが、よほど無茶なステアリング操作をしない限り、スタッドレスタイヤの1歩手前くらいの安心感がある。

摩耗した状態で新旧を試した時の性能差はより大きく感じられた。

CC2のブロック側面には摩耗時に凹凸溝が現れるピーエッジと呼ばれる形状になっており、これが効いているようだ。

オールシーズンで気になるのは2シーズン目以降の冬性能だと思うので、これは心強い性能アップに違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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