キッチン付きのキャンピングSUV アウトドア/アドベンチャー向け電気自動車、航続距離1000km超 中国新興企業

公開 : 2023.08.31 06:45

1.5Lガソリンエンジンを発電用に搭載したレンジエクステンダーEV、テールゲートには簡易キッチン内蔵。中国の新興企業ポールストーンズが初の市販モデル「01」を発表。どこか「あのクルマ」にも似た雰囲気。

「あのクルマ」に似た4WD車 レンジエクステンダーEV

中国の新興企業ポールストーンズ(極石、Polestones)が、初の市販モデルとなる「01」を発表した。ピニンファリーナのデザインによる高級SUVで、アウトドアブームを意識してキッチンなどのキャンピングアイテムを備えている。

ポールストーンズ01は、ターボチャージャー付き1.5Lガソリンエンジンを発電用(レンジエクステンダー)として搭載し、2基の電気モーター(前後に1基ずつ)で駆動するEVとなる。

ポールストーンズ01
ポールストーンズ01    ポールストーンズ

中国メディアの報道によると、合計出力475psと最大トルク75.5kg-mを発揮し、0-100km/h加速を5.5秒で走破するという。

バッテリー製造大手CATLの56kWhバッテリーを採用し、中国CLTCサイクルによる電気のみでの航続距離は245kmだが、エンジンのアシストにより航続距離は最長1114kmに達する。

ルーフに搭載されたLiDARシステムはヘサイテクノロジー(Hesai Technology)社製で、すべてのコンポーネントが1つの半導体に統合されており、レベル2の運転支援を実現するという。その能力は、今後のソフトウェアアップデートによって向上していくようだ。

01のボディサイズは全長5050mm、全幅1980mm、全高1869mmで、ランドローバーディフェンダー110(5018mm x 2008mm x 1967mm)とほぼ同じである。どことなく同車に外観が似ているのはポールストーンズに限った話ではなく、ハヴァル・ラプター(哈弗・猛龍)、ジェトゥール・トラベラー(捷途・旅行者)、ヤンワンU8(仰望U8)など、最近の中国製SUVに共通するテーマである。

キャンピングカーのような特殊装備 お値段は?

アウトドアの「ライフスタイル」を謳う01はキャンピングカーのような装備が特徴的で、テールゲートにIHコンロやウォーター・ディスペンサー付きの簡易キッチンを組み込んでいる。ここで作られた料理は、組み立てにわずか5分しかかからないと謳われる一体型ガゼボの下で楽しむことができる。

6人乗りまたは7人乗りの2種類が用意されており、6人乗りでは3列の2人掛けシートが用意され、最後列もリクライニング可能となる。1列目シートバック上部のルーフパネルにはフリップダウン式のスクリーンが備わり、旅客機のような雰囲気を醸し出している。

ポールストーンズ01(テールゲートを開けてキッチンを使用している)
ポールストーンズ01(テールゲートを開けてキッチンを使用している)    ポールストーンズ

一方、7人乗りモデルでは、2列目と3列目のシートを折り畳んでキングサイズのベッドに変えることができる。

ポールストーンズは上海を拠点とするロックス・モーター(Rox Motor)が所有しており、2021年の設立以来、テンセントをはじめとする中国大手からの投資を集めている。

生産は、オフロード車やトラックを得意とする北京汽車製造廠(BAW)が担当する。

ポールストーンズ01の中国価格は39万9900人民元(約800万円)から。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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