中国ニオ、英国に上陸開始 中型EVセダン「ET5」公開 バッテリー交換システム搭載

公開 : 2023.07.19 19:45

EVメーカーのニオ(NIO)は、来年導入予定の英国で新型ET5を一般公開しました。テスラ・モデル3のライバルと期待されるEVセダンで、バッテリー交換システムを搭載し、充電時間の短縮を図っています。

欧州展開、着々と進行中

成長著しい中国の高級EVブランド、ニオ(NIO)は、ミドルサイズセダンのET5を英国で一般公開した。

来年後半より英国に導入予定で、同時にニオ独自のシステムであるバッテリー交換ステーションも導入される。このステーションでは、約5分でフル充電したバッテリーに交換できる。

英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたニオET5
英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたニオET5    AUTOCAR

ニオはまた、中国、ノルウェー、ドイツに続いて、ロンドンにショールームのニオ・ハウスを建設する。

ニオは現在、ブランド・マネージャーやセールス・マネージャーなど、英国での立ち上げスタッフを募集している。英国全体で指揮を執るゼネラル・マネージャーは「3日前」に採用されたというが、その人物の名前はまだ公表されていない。

車両はリース専用となり、一定期間のリースか、あるいはいつでも車両を返却できる(1か月に通知が必要)柔軟なサブスクリプションから選択できる。このサブスクリプションは、吉利汽車傘下の中国ブランドLynk&Coが欧州市場で成功を収めた実績がある。

ニオは2014年に設立されたが、当初は中国での販売に限定していた。昨年よりノルウェーを筆頭に欧州進出が始まり、現地でバッテリー交換ステーションも建設された。その後、ドイツ、スウェーデン、オランダ、デンマークにも展開した。

ドイツでは10月に大型セダンのET7の納車が開始され、来年3月には大型SUVのEL7とセダンのET5が続く。価格はまだ公表されていない。

EL7は欧州独自のネーミングであり、アウディからの訴訟を受けて中国向けのES7から改名した。この訴訟の経緯は、ニオの「ES」のネーミング戦略が、アウディのS7やS8といった「S」モデルシリーズと似すぎているというものだった。

欧州市場向けのモデルは、すべて新しいNT2プラットフォームをベースとし、高度なソフトウェアとセンサーを組み合わせることで、特定の条件下で自動運転能力を発揮できるとニオは述べている。ドイツではメルセデス・ベンツEQSなどでレベル3に自動運転システムが販売されているが、ニオの同様のシステムの導入時期は明らかではない。

ニオは9月30日時点で25万台弱を販売しており、その大半は中国での成果だ。ノルウェーでの販売台数は約1000台だという。

ニオによると、バッテリー交換プラットフォームの供給について他社と協議中で、いくつかの自動車メーカー向けにプロトタイプを製作したこともあるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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