匂ったら注意? できたてFRP製品には“巣穴”が隠れている
羽鳥鈑金塗装工業所の羽鳥です。
こちらはお客様のクルマの修理の過程で取り寄せることになった社外品のFRP製バンパー。
「先にお振り込みいただいた後に製作に入ります。納期は1ヶ月〜です」
ということで待つこと2ヶ月。途中、製造元に何度か問い合わせるも
「今作ってます!」「そろそろ!」「担当がいません!」と
そば屋の出前状態。
数日後に折り返し電話があり、「今週中にできあがります!」
と5日後に届いたのがこちらのバンパー。
届いてすぐわかったのが
「匂う・・・コレ、できたてのバンパーじゃないの?」
これはヤバい。
何がヤバいのかというと、完全に硬化する前のFRP製品って、結構フニャフニャです。
硬化するとカチカチになりますが、このバンパー、溶剤の匂いがプンプンして、
さわるとソフトな感じ。「コリャヤバい」ということで、コンクリートの上に直置きして、太陽光で乾燥。
すると、すぐにキタ・・・プクプクと表面に気泡が浮いてきました。
こうして乾燥させること数日。やっと溶剤の匂いも抜け、硬くなってきたFRPバンパー。
しかし・・・あれ? プクプクが消えてる・・・そう、気温が低いときには消えてしまうのです。
マーキングしてみましたが、ほとんどわかりませんね。
光に当たり熱が加わると、FRP素材の中に閉じ込められた泡状の空気が“巣穴”として
熱膨張してプクッと出てくるのです。
そこで、巣穴をほじってみました。コリコリと簡単に穴が開きます。
今回見つかったのは2カ所ですが、正面の目立つ場所なので塗装前に処理しておきたいところです。
これを見抜かず、そのまま塗ってしまうと、納車後に太陽光の熱でプクッと浮いてきます・・・
完全に見抜くことは難しいですが、下地づくりの時点でこうして処理できれば
「社外製品」とはいえキレイに取り付けて楽しめるじゃないですか。
社外品のFRP製品を塗装をする前にはこうして細部まで確認していきます。
お客様には入庫を一週間延ばしていただき、もう一週間たっぷりとバンパーを日光浴させ
万全の下準備をして入庫に備えました。
これは別に「この製品が悪い」ということではありません。
“私どもがやらなくてはいけない下処理作業のひとつ”なのです。
製造時に気をつけていてもできてしまう“巣穴”をどうこう言うのもおかしな話で、
そこは私どもが見抜いて事前に処理してしまえば済むことです。
それこそが鈑金塗装工場に求められる“技量”ではないでしょうか
・・・とカッコつけてしまいましたが、FRP大好きなワタクシだからこそ、
やらずにはいられないのです。
どうせ取り付けるならば、少しでも長くキレイであってほしいじゃないですか。
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