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35年前に父が手がけたSA22C RX-7に塗装職人の「魂の仕事」を感じる


羽鳥鈑金塗装工業所の羽鳥です。

こちらは以前にご紹介した、SA22C マツダ・サバンナRX-7。
昭和58年登録のこのクルマ、35年前に私の父が全塗装を手がけた車両です。
その当時、私はまだ小中学生でした。

オーナー様は屋内保管でこのクルマを維持されてきたので、塗装自体の劣化は少ないものの、
FRP製エアロパーツには経年劣化などが生じていました。
 
 
そこで劣化した部分を修復、リフレッシュさせるご依頼を受けたのですが、
このクルマ、茄子紺のようで、見る角度や光の当たり方によって赤味が強く出るという
なんとも形容しがたい絶妙な色なのです。

もちろん、当時の調色データなどはなく・・・
「おそらく父ならば、こうしたであろう・・・」という想像と目測から色を作ってみましたが
そう簡単に父が作った色に到達することはできませんでした。
 
 



何度も色を作ってはテストピースに吹いて実車と比較しては作り直し・・・を繰り返し
試行錯誤の末、下色に青黒っぽいベースを吹き、その上からブルーハワイのような
青色のクリアを塗装することで、青の奥深味と強い赤感を出している・・・
という手法で塗られていたのだろう、という結論に行き着きました。

ただのブルーメタリックではなく、今でいう『キャンディカラー』ですが、
当時はアイデアでそんな色を作り出していたんですね。
その頃にこのような、角度により見え方が違うパールのような、そしてソリッドにも見える感じ・・・
当時から父はこんなのを求めていたんだな・・・
 
 


最後は全体に磨きをかけ、ツヤを取り戻したRX-7。部分的に補修したものの、35年前の全塗装とは
思えぬほどのコンディションの良さです。やはり屋内での保管がクルマの劣化を遅らせるのかと感心しました。
そしてキチンとした全塗装をすれば35年はキレイを維持できるのだと、ある意味父の仕事の「置き土産」を
「魂の仕事」を見せられた感じがしました。

このクルマのオーナー様はずっと室内保管にこだわり、家を建て替えるときに本格的なガレージを
建てられたとのことで・・・さすがです。

これからも素敵なカーライフをお過ごしください。
さぁ、これからも歴史に残る仕事をしていこうと、思いを強くしました。

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