シャーシブラックは錆止め効果が薄い? 2年にわたる実験の結果は?
こんにち、羽鳥鈑金塗装工業所の羽鳥です。
クルマのメンテナンスの一つとして、最近多くご用命いただくのが
『下まわりの錆止め処理』です。中でも有名なのが『ノックスドール』ですね。
当社では20年ほど前から錆止め施工を行ってきましたが、
そもそもノックスドールは取り扱っていませんでした。
というのも、施工後のメンテナンス性について個人的に疑問があったから。
しかしながら、あまりにも「ノックスドール施工をお願いしたい」という
お客様の声があったため、取り扱うようになりました。
しかし、当社としてもそれまでに培ってきた錆止めのノウハウもありますので、
『錆止め=ノックスドール』ではなく、数あるご提案の一つとさせていただいております。
当社で行っているノックスドール以外の錆止め方法としては
『シャーシクリア・シャーシブラック塗装』というものがあります。
実はこのシャーシ塗装、一般的には持続性に乏しいといわれています。
お客様としてはどうせやるなら保ちの良い、錆びない施工を望まれますよね。
「じゃあ、シャーシ塗装はどれくらい保つの?」と思いますよね?
で、2年前に始めたのがこの実験。
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実際に実験を開始したのは2020年2月14日。
部品交換で取り外したナックルアームにシャーシクリアを部分的に塗装して屋外に放置。
雨の日も風の日も、過酷な条件下でサビの進行を観察してきました。
こちらがシャーシクリア施工直後の写真です。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_002-4pjzw9r8bo.jpg)
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元々、クルマに付いていた部品なので、薄くサビが出ていましたが、
あえてその上から部分的にシャーシクリアを塗装してあります。
そして2年が経過・・・
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_006-sau6hwpr51.jpg)
コレが今の姿。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_007-z8htsme71r.jpg)
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![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_010-wek6imtcvg.jpg)
意外と悪くない?
でも、「実際に走行しているワケじゃないから。走っていれば石跳ねや水がかかって保たないでしょ?」
ならばこちらも2年ほどになると思いますが、余ったシャーシ塗料を
代車のホイールハウス内に塗ってあります。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_011-qheuvx6r1n.jpg)
ホイールハウスの前側にクリア、後ろ側にブラックのシャーシ塗料を部分的に塗装。
適当に塗って放置したものを、先日久しぶりに洗浄してから撮影してみました。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_013-f7j4ivcu20.jpg)
前側のクリア
砂が付いた上からわざと塗装しましたが、2年経ってもその砂まで残っています!
色が変わっているところがクリアでコートされた部分ですね。
![](https://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2022/04/hat_0409_014-7v9iwf4ouk.jpg)
後ろ側のブラック
適当に塗料が垂れるくらいに塗って2年放置。
良い具合に塗装が維持されていますね。
というワケで、悪くないと思うんですよワタシ・・・
錆止めの製品は各メーカーから色々でているので、「絶対にコレが良い!」とは言いません。
しかし、こういった錆止めを施工している人間の口から敢えて言わせていただくとすれば、
「大切なクルマならば『濡らさないこと』『室内保管すること』『濡れそうなときは乗らないこと』」
スミマセンがコレが絶対です。間違いなく傷みません。
雪国の融雪剤や海の塩に触れるのに「錆びないように」ってのは無茶です。
それは「日焼けしたくない」といいながら炎天下の海やプールで遊ぶようなものです。
日焼け止めを塗れば日焼けもある程度防げるでしょうが、そもそも論で言うと
「日焼けがイヤなら炎天下は歩かない」選択もあるはずです。
何の解決策にもなっていないようなお話ですが、それだけクルマの鉄にとって水分や塩分は大敵です。
それをお伝えしたくてこのような実験を行ったわけです。
「コレが絶対に完璧です」といえる錆止めはありません。それをどこまでも求めるなら
ステンレスかプラスティックでできたクルマに乗るしかないって話になっちゃいますね。
当社としては個々のオーナー様のクルマの使い方や接し方に合わせて
クルマの延命のお手伝いをしておりますので、下まわりの防錆に関してもお問い合わせください。
羽鳥鈑金塗装工業所
TEL : 0120-471-980(フリーダイヤル)/ 045-471-9800
営業時間:9:00〜21:00 定休日:日曜日(ただし連絡いただければ受付対応は可能)
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