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E63型BMW M6 クーペ SMGⅢクラッチ分解

トラオムガレージの小澤です。

E63BMW M6 クーペ エンジン始動しない・SMGⅢクラッチ交換の続編。

前回ではEKP(フューエルポンプ制御ユニット)不良でエンジンが始動しませんでしたが

無事にV10エンジンに火が入りました。

今回は、BMW SMGⅢのクラッチ交換です。

症状は、走り出しにショックが大きくドッカンとクラッチが繋がり

その後、トランスプログラム(歯車マーク)が点灯し、まともに走ることが出来ない

状態となります。

また、クラッチの焼けた臭いがします(汗)

早速ピットへ入れ点検です。

クラッチの点検は、ミッションを降ろし目視が必要です。

流石は、Mシリーズ。

車体下はフラット構造となっています。

下回りだけ見ると、レーシングカーGTカーの様です。

この年式でここまでシッカリと作り込まれているのも凄いなBMWと思います。

また、補強バーもシッカリと入っています。

これは、ボディ剛性良いと思います。

アンダーカバーを取り外すと、SMGⅢが姿を現しました。

オイル漏れもなく大変綺麗な状態です。

ミッションオイルのオイルクーラーがミッション横に付いています。

黒い筒がSMGモーターになります。

パートでも触れましたが、このパーツがダメになるとエンジンが掛からなくなります。

やはりクラッチから臭いがします。

確実にクラッチが逝ってますね。

マフラーを外し

サクサクとミッションを降ろします。

毎度の事ですので、ミッションを降ろすのはお手の物です

リフトで車両を上げてから、約30分程で降ろしてしまいます。

ミッションの上に乗っかっている物が

油圧でピストンが動き、ギアを変えています。

要は、シフトレバーですね。

ゲトラグ製のミッションになります。

このミッション、大きくて物凄く重いんです。

レリーズベアリング・レリーズホーク点検。

なんと、レリーズベアリングが真っ二つに。

本来圧入されてている物なんですけどね。

クラッチ側はと言いますと

スプリングの羽根の割れもなく、ぱっと見問題なさそうですが

取り外して点検すると。

やはりクラッチ板のカスが大量に出てます。

ツインクラッチ板の一枚は完全に剥がれていました。

さすがにこれでは、500馬力の動力、いや、5馬力の動力も受け止められません。

普通のマニュアル車ですと、足でクラッチを繋げるので

新車時は床から12センチで繋がっていたのが

だんだんと床からの距離が長くなる事で、そろそろクラッチが減ってきたかなとわかるのですが、

SMGはユニットが油圧を制御してクラッチを切るので、どのくらい減ってきたかドライバーはわかりません。

そんな所は原始的なクラッチの方がわかりやすく良いですね。

フライホイール側は特に問題ありませんでしたので交換は致しません。

軽く研磨して使用します。

次回は、クラッチ組付けのです。

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