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ビンテージレーサーのFRPカウル修理 ついつい手をかけ過ぎ?


こんにちは、羽鳥鈑金塗装工業所のハトリです。
以前ご紹介した、ビンテージレーシングバイクのシートカウル。
ようやく完成し、先日納品いたしました。

思い起こせば、お預かりしたのが昨年6月頃。
割れのヒドいこのカウルを見て、私は「本当に直すんですか? 
コレ、まともに直したら15万や20万もらっても・・・いや、こりゃ大変だな」
とお答えしましたが、どうしても直して欲しいとのことで、
「手間がかかってしまうのでお時間はいただきたい。」ということでお預かりしました。



で、その時間がなかなか捻出できず・・・
手を付け始めても割れがヒドくて一向に作業が進まない・・・
FRPを盛っては削り盛っては削り、あそこを直せばここの割れが目立ち・・・を幾度となく繰り返す。

それもそのはず、80年代のバイクのパーツなのでそりゃ傷んでもいるだろう。
ある程度パテを使ってテキトーに直したいところだが、パテを使うと重くなる。
これはロードレーサーなので、重くなっちゃ本末転倒。
しっかり手間をかけて、重くならないようにFRPを修理しました。
 


割れの補修が終わったら、その次はとにかく面出し作業。
これも幾度となく行った・・・


サーフェイサーを塗っては確認、そして補修して研磨、またサフ吹きして確認・・・
を繰り返して面を出していきます。とにかく手間のかかる作業です。
 
そして塗装。


小さなパーツですが、3色の塗り分けということで、これだけでも手数の多い作業になります。
色味とデザインの参考のため、見本のシートカウルをお預かりしており、
それと同じに色を作り、同じデザインで塗装していきます。


厳密に言えば見本とはシートカウルの形状が多少異なるため、
デザインもそれに合わせて調整します。


とりあえずシートカウルの形状から、赤のラインを一定の幅で塗ってみると
テールの下部がちょっと細く感じます。


オリジナルを確認すると、下側がわずかに幅広になっていました。


そこで赤いラインの幅を調整しなおして塗装、これで全体のバランスは良くなったかと。

最後のクリア塗装も、3色塗った塗装の段差を取るために、
クリアを塗って乾かしてペーパーを当てて段差を落としてを3回繰り返し・・・
などとやっている最終段階で気付いた。
「コレ、ボロボロだからできる限りの補修で10万円くらいで・・・」とお預かりしたはず。
どう考えてもオーバークオリティになってしまった。

ここまでの手間と時間をかけてしまうと倍もらっても高くはない。
いわゆる「新品が買えちゃうじゃん!」というヤツですが、
もう新品が手に入らないビンテージパーツ。
だからこそ直したいというお客様でした。

思わずやっちゃいましたが、やり過ぎだった・・・と
でも、これからコレをバイクに取付け、色々な人の目に晒されるビンテージレーサー。
イマイチな補修や塗装じゃあね〜とも思うし、どうしても手間をかけ過ぎちゃったワケですよ。

ということで、この手の修理は思わぬ追加作業も発生してしまいがちです。
そのためにも、追加のご予算も覚悟の上、ご相談ください。

羽鳥鈑金塗装工業所

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