アウディTT Sロードスター

公開 : 2015.02.09 23:50  更新 : 2017.05.29 18:14

■どんなクルマ?

先日のTTロードスターに続き、今回テストするのはTT ’S’ のロードスター。TT Sならではの加速を味わいながら、風をたっぷりと感じたいならば、このクルマがうってつけだ。

ファブリック・ルーフが与えられたことによる車重増加分は約90kg。アダプティブ・ダンパーがオープン・トップ専用のセッティングになっている以外は、9月にテストしたTT Sクーペとほとんど同じだといっていい。

組み合わされるエンジンは310psの2.0ℓターボ・ガソリン。サスペンションは電子制御による可変式となり、4WDシステムは前後それぞれに100%のトルク供給が可能なアクティブ方式となる。マニュアル・ギアボックスが標準となるが、今回のテスト車両にはオプションのSトロニック・デュアル・クラッチ・オートマティックが組み合わされていた。

■どんな感じ?

重要なのは、メタル・ルーフが廃されたことが、グッドニュースとなり得るのか否かである。

事実、ハーシュネスに対するマナーはほんのわずかにクーペと異なった方向ではあるが、TTの誇りとするシャープネスやTT Sならではの敏捷性は損なわれていない。

可変レシオ・ステアリングはコーナーをハードに攻めた際も十分な色彩に満ちている。だからといって高速道路や渋滞した市街地でも、へたに敏感すぎることはなく極めて落ち着いて運転できる。

驚くほど粘り強く、そうでありながらも不自然なところが全くないのは4WDシステムのおかげ。もはや ’クワトロ・マジック’ と呼ぶに値する出来栄えだ。

限界域にちかいところでは、ややハンドリングに精彩を欠く。ゴルフRと多くのコンポーネントを分けあっているにもかかわらず、アンダーステアが顔を出しやすく、修正舵を与える際も、どこかダルさがあるのは惜しい。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記