ポルボXC90、詳細

公開 : 2015.05.02 22:50  更新 : 2017.12.14 12:31

ボルボXC90 T8ツイン・エンジン・プラグイン・ハイブリッドは、正式な生産が開始されるまで6ヶ月となったが、今回、そのCO2排出量が以前にアナウンスされていたCO2排出量が以前に発表されたいた59g/kmではなく49g/kmと公式に発表された。また、燃費も59.1km/ℓと発表された。

これは開発途中での改善ともとることができるが、ライバルであるアウディQ7 e-トロン・プラグイン・ハイブリッドの発表を待って新たに公表したとも受け取れる。

今年後半に発売されるライバルのQ7は、公式にCO2排出量を50g/kmとし、燃費も58.8km/ℓとアナウンスしている。XC90は、この両方の数値でアウディを上回っていることになる。

Q7に搭載されるエンジンは、3.0ℓV6コモンレール・ディーゼル・ターボで258ps、61.1kg-mのパワー、トルクという値だ。これに128ps、35.7kg-mのモーターが組み合わされ、トータルでは373ps、52.7kg−mというスペックとなる。0-100km/h加速は6.0秒、最高速は225km/hで、モーターのみの航続距離は55kmと発表されている。

これに対しXC90 T8は、318ps、40.8kg-mを発揮する2.0ℓ4気筒スーパーチャージャー・エンジンと、82ps、24.5kg-mのモーターが組み合わせられる。0-100km/hは5.9秒と、これも僅かながらQ7を上回る。一方、モーターのみの航続距離は39kmと発表されている。

ボルボXC90は、最近のボルボの歴史の中にあって最も重要なモデルとされ、通常のモデルは既に英国でも発売がされている。「製作に3年の月日を要し、£65億(1兆1800億円)の長期の投資計画の一部を費やしたモデルで、ボルボの新しい歴史を記念する、そして将来的なデザインを示唆する大切なモデルだ。」とボルボはコメントしている。また、XC90は「ボルボのボルボによる戦略の確かなエビデンスである」ともしている。

ラインナップのトップになるモデルは先述したようにツイン・エンジンのT8だ。このT8ツイン・エンジンは、ただ単にプラグイン・ハイブリッドというポジショニングでなく、ハイ・パフォーマンス・モデルとしての性格も持ったモデルだ。スーパーチャージャー付きの2.0ℓ4気筒ガソリン・エンジンがフロント・ホイールを駆動し、81psの電気モーターがリア・ホイールを駆動する。

ヨーロッパ市場で最も人気となるモデルは、XC90 D5だ。これは225psのディーゼル・ユニットを搭載するモデルで、駆動方式は4WDである。デリバリーは5月から開始されることになっており、注文は既に始まっている。

ガソリン・エンジンとしてはXC90 T6が用意される。昨年10月からボルボXC90自体の注文は開始されているが、プラグイン・ハイブリッドとディーゼル・モデルがラインアップされているにも関わらず、このガソリン・モデルへの問い合わせが非常に多かったことに英国のディーラーは驚かされたようだ。エンジンはスーパーチャージャーとターボチャージャーのツインチャージャーを持つ2.0ℓ4気筒のドライブ-Eユニットで、パワーは320ps、トルクは40.8kg-mだ。このT6の価格はまだ発表されていない。

新しいXC90は、ボルボのスケーラブル・プラットフォーム・アーキテクチャー (SPA) をベースに、新しいエンジン・ファミリーであるドライブ-Eを搭載する。このドライブ-Eは、もちろんXC90が市販車には初搭載となる。

「SPAによって、妥協することなくSUVを造ることが出来た。」とボルボの副社長であり研究開発部門のトップであるピーター・マーテンスは語っている。「入力に対する確かな操作感と、トーマス・インゲンラートよる新しいデザイン言語が特徴だ。」ともコメントしている。

トーマス・インゲンラートは、以前フォルクスワーゲン・グループにいた人物で、現ボルボ上級副社長兼デザイン責任者だ。このXC90のデザインが、新しいボルボ・ブランドのデザイン言語となる。新しいグリル、T字型の “トール・ハマー” LEDデイタイム・ランニング・ライトなどは、今後、全てのモデルでフューチャーされることになるだろう。また、ボルボはXC90に、22インチという大径のホイールをオプションとして用意しているという。

深く彫り込まれたボディ・シェイプは、現行のXC90のイメージを基本的には引き継いではいるが、これがこれからのボルボ・ルックの第一歩であることはまちがいない。ちなみに、S80の代わりともなるXC90は、そのインスピレーションをコンセプト・クーペからとっている。

インゲンラートは、「インテリアはピュアで整理されたもの、洗練された信頼感とフォーマットで構成される。そのシンプルなデザインは、スカンジナビア・デザインのヘリテッジとも迎合するものだ。」と語っている。

インテリアのハイライトは、”タイル” が張り巡らされたようなデザインのタッチ・スクリーンを含むディスプレイで、このタッチ・スクリーンでは、メディアのほか電話もコントロールできる。また、XC90はエリクソンの開発によるクラウド・ベースのナビゲーションを備える。このクラスド・サービスでは、駐車場の空き情報や料金の支払い、ラジオ、ミュージック・ストリーミングなども提供される。また、Apple Car Play や Androido Auto と連携したサービスもオプションとして用意される。

キャビンは、ダイヤモンド・カットがされたクリスタル・ガラス製のギアレバーが目につく。またその後ろには、エンジン・スタート・ストップ・スイッチと、ドライブ・モード・コントロールがレイアウトされる。トップ・グレードのオーディオは、バウアーズ&ウィルキンス (B&W) 製がセットされる。これは1400WのクラスDアンプをもので、9スピーカーと1台のサブ・ウーファーを備えたものだ。また、ボディと共鳴して、内部のスペースを巨大なサブ・ウーファーとして利用するという仕組みである。

ボルボは、このXC90が、現時点での自動車メーカーでも最も広範囲に亘って、しかも高い技術の安全性を提供するとアナウンスしている。それには、2つの世界初の安全テクノロジーが含まれる。それは、ラン・オフ・ロード・プロテクション・パッケージと、交差点オート・ブレーキだ。この2つは、何らかの理由でドライバーがクルマをコントロールすることが難しくなった時、シート・ベルトをピンと張るもの。脊髄損傷を防ぎ、垂直方向のシートとシート・フレームの間でエネルギーを吸収することによってハード・ライディングからも身を守るという。

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