マツダMX-5 英霊記念レースに参戦してみた 退役軍人たちの走りは

公開 : 2018.12.02 18:40

軍による慈善事業

それを「生還者のうけた傷では英国いちだろうね」と語る彼がこうして生きていられるのも、そばにいた隊員がヒザを傷に押しつけて出血を食い止めてくれたからにほかならない。だがそれでも血流不足に陥った脳のダメージは免れず、視野欠損と聴力障害がのこってしまった。

受傷の直後も、病院ヘリでの搬送中に彼の心臓は2回も止まり、輸血用の血液も使い果たしてしまった。一命をとりとめてからも、体内から取りだした金属片は400個以上にものぼる。

彼自身、自分のことをアフガニスタンでもっとも重傷を負った生存者だと語っている。もし1時間ほどお暇があれば、YouTubeで「The Commando Who Refused to Die」というタイトルの彼の記録映像をごらんいただきたい。

そして、4人目のドライバーがわたし、アンドリュー・フランケルだ。3人の壮絶な話のあとでは、名前だけでもう十分だろう。

この英霊記念レースというイベントはほかに例を見ない。主宰するのは、「レース・再訓練・社会復帰」の合い言葉のもとで傷病退役軍人とその被扶養者の支援やその基金調達をおこなう軍の慈善事業、ミッション・モータースポーツだ。

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