新型ポルシェ911(992型)カレラS 助手席試乗 ホッケンハイムで進化を実感

公開 : 2018.12.14 18:10

992世代となる新型911カレラSの助手席試乗です。今回の舞台はホッケンハイムサーキットとその周辺でしたが、911の伝統を引き継ぎつつ、快適性を向上させるべく細かな改良をほどこされた新型911は、助手席からでも十分な進化を感じさせてくれました。

もくじ

助手席試乗 舞台はホッケンハイム
ファーストインプレッション
高速性能
新ウエットモード
素晴らしい進化

助手席試乗 舞台はホッケンハイム

助手席に座った新型911の背後から聞こえてくるのは、フラット6のノイズか、それとも、ドライバーがその450psのパワーでオーバーステアに持ち込もうとして、冷えたタイヤが発する悲鳴なのか分からないが、ホッケンハイム周辺で行われた今回の初試乗では、新型ポルシェ911 カレラSもこれまでの911の伝統を受け継いだ素晴らしいモデルだと安心することができたことを先にお伝えする。

もちろん、音は意図的なものだ。ポルシェのR&D部門を率いるミヒャエル・シュタイナーが言うとおり、1963年のデビュー以来、911は「ブランドを象徴するモデル」であり続けているのだ。

992世代となる新型911は、当然そのデザインとドライビングダイナミクスの双方で進化しているが、そのなかには変化も含まれる。911の伝統を守りながら新鮮さを感じさせるそのボディの下には、数多くの細かな改良が行われているのだ。

ポルシェのエンジニアたちは、こうした細かな変更が大きな違いをもたらすと固く信じている。


その良い例がシャシーへのエンジン搭載方法だろう。1963年の誕生以来、これまですべての911でエンジンはクランクケースに取り付けられたブラケットを介してシャシーへと固定されていたが、今回の新型ではエンジンは長手方向のメンバーに直接マウントされることで、20cmほどそのポジションを前進させている。

この変更は、エンジン振動の抑制とスタビリティの向上を目的に行われている。狙いはある程度達成されるとともに、アルミニウムの使用量を増やすことでさらなる軽さと強さを実現した新型シャシーとの組み合わせることで、さらに大きな違いをもたらしているとポルシェは話す。

では、こうした改良はどれほどの違いを作り出しているのだろう? ポルシェによれば、ニュルブルクリンクのラップタイムで、新型カレラSは先代比約5秒速くなっているとのことだ。

ノルドシュライフェにおける7分25秒というタイムは素晴らしいが、新型の量産モデル(以前試したのは最終プロトタイプだった)を初めて試すことができたのは、ドイツにあるもうひとつのF1サーキットだった。

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