テスラ 2019年第1四半期、約767億円の赤字 過去最悪に迫る 既存車の売上下落

公開 : 2019.05.30 11:20

テスラが2019年1月-3月の決算を発表。2四半期ぶりに赤字に戻ってしまいました。新型モデル3の販売は好調ですが、その生産が遅れたことや、既存のモデルSとモデルXの売り上げが落ち込んでいることを、イーロン・マスクCEOは理由として挙げています。

もくじ

過去最悪に迫るテスラの赤字
欧州ではモデル3の販売が好調
時価総額はフォードを凌ぐ/実現可能性の低そうな計画も
実現可能性の低そうな計画も

過去最悪に迫るテスラの赤字

テスラは、電気自動車のモデル3が欧州で驚異的な販売を記録しており、さらに将来に向けて自動運転タクシーの導入を予告しているにもかかわらず、現在も依然として財政難に苦しんでいるようだ。

イーロン・マスクCEOは3カ月前、テスラが今年の第1会計四半期には黒字になるだろうと予告した。ところが実際に発表されてみると、この3カ月間は過去最悪に迫る7億200万ドル(767億円)もの赤字を計上した。

マスクCEOはその理由としてモデル3の生産が遅れたことと、既存のモデルSモデルXが旧くなり価値が下がっていることを挙げた。2010年以来、テスラが黒字を計上した会計四半期は4期のみ。年単位で黒字となったことは一度もない。

欧州ではモデル3の販売が好調

米国での需要は冷え込んでいるかもしれないが、欧州では少なくとも新型モデル3に関しては異なる。自動車業界アナリストのジャト・ダイナミクスによると、欧州全域で3月には1万4652台のモデル3が登録されたという。

この驚異的な売り上げは、BMW 3シリーズアウディA4(セダンとワゴン)の販売台数を上回る。このうち、欧州で最も電気自動車が売れているノルウェーだけで、5315台のモデル3が販売された。同国におけるモデル3の市場シェアは、なんと29%にもなる。

テスラは来年、モデル3のSUVバージョンであるモデルYの発売を開始する。マスクは先日、最終的にはこのモデルYが、モデルS、モデルX、モデル3を合わせたよりも人気になるだろうと予言した。

しかしながら、テスラには依然としていくつかの問題がのしかかっている。モデルYの開発を予定通り終えることはもちろん、今年後半に稼働を予定している中国上海の新工場を完成させるための資金を確保しなければならない。

新型ロードスターと電動トラックのテスラ・セミの開発も残されている。最近公開された動画では、初期に生産されたモデルSが中国で出火する様子を捉えていた。このことは、テスラ車に対する安全性の懸念に再び(文字通り)火を着けることになった。

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