【高速道路の逆走も防げる?】厳格で合理的 日本人が学びたい米軍基地の交通ルール3選

公開 : 2020.01.04 07:20

米軍基地には、独自の交通ルールが存在します。なかでも、日本は学ばなければならないルールがあります。うち、すぐに改善されそうな3つのルールを加藤久美子がご紹介します。考えるきっかけになれば。

米軍基地の中は、左側通行

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

日本の中の小さなアメリカである米軍基地は、日本にないファストフードやスーパーがあり、そこではアメリカドルで買い物ができる。

筆者は以前、横田基地の施設見学をしたことがあり、郵便局や学校もすべてアメリカ仕様。まさにここは小さなアメリカそのものだと驚いたことがある。

米軍基地のルールは厳格。日本に取り入れたい3つのルールがある。
米軍基地のルールは厳格。日本に取り入れたい3つのルールがある。

しかし、日本と同じこともある。それは、基地内の車両通行が左側通行となっていることだ。

「基地の中だけで生活に必要なものはすべて揃いますが、公務やプライベートでクルマを運転して基地の外に出ることも多くある。その際に混乱しないよう、基地の中も日本と同じ左側通行のルールを敷いています」(横田基地日本人職員)

米軍基地にはガバメント・プレートを付けたたくさんの公用車両があるが、アメリカ車は少数で、軽トラから送迎バスに至るまでほとんどが右ハンドルの日本車だ。

また、Yナンバー/Aナンバーのプライベート車両もアメリカ車を見かけることはほとんどない。

Yナンバー車にも右ハンドル車が多いのだから、左側通行にするというのも理にかなっていると言えるだろう。

しかし、左側通行で日本車がたくさん走っていても、交通ルールは日本になりアメリカのルールが適用されている。

ここがまた面白いところだが、それらのルールの中には、日本でも取り入れたいルールもある。

厳選した3つの交通ルールを紹介してみよう。

入場ゲート付近 米でおなじみ「タイヤ裁断機」設置

なかなかインパクトがある見た目だが、「タイヤ裁断機」は、文字通り、ルールを無視して逆走して入って来たクルマのタイヤをパンクさせるための装置である。

日本では米軍基地でしかおそらく見かけることはないと思うが、アメリカではわりとポピュラーな存在で、レンタカーの駐車場出入口や空港の車両出入口などにも設置されている。

タイヤ裁断機 出典:Spirit of America Corporation
タイヤ裁断機 出典:Spirit of America Corporation

逆方向から「意志を持って」侵入してくるクルマの動きを停めるための装置だ。

裁断機の上を「順行」で通過すれば何の問題もないが、「逆行」で通過するとブレードがタイヤに刺さり、タイヤは即座にパンクして当然その先に進むことはできない。

また、米軍基地でフレンドシップデーなど多くの一般人が徒歩で入場するようなときには、ゲート付近は歩行者専用となるため(車両は別のゲートから出入りする)、裁断機はたたまれる。

このような装置は日本においても高速道路の誤進入、いわゆる逆走にも有効だと思うのだが……採用されることはまずなさそうだ。

日本では、あくまでも「逆走車のドライバーに逆走であることを気づかせて、退避させる」という方法が基本らしい。正しいと信じて走り続ける逆走車に、「気づかせて止まらせる」のは至難のワザだと思うが。

タイヤ裁断機のように物理的に誤進入を防ぐ装置の採用は難しい模様。

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