【開放感だけじゃないアピール力】ポルシェ911タルガ4Sへ試乗 最新992型

公開 : 2020.08.20 10:20

ポルシェ911のラインナップで、常に一味違う存在感を示してきたタルガ。クーペとカブリオレの間、気取ったモデルという見られ方もあるものの、英国編集部での支持は高いようです。走りが磨かれた992型の評価はいかに。

もくじ

クーペとカブリオレとの間の小さなギャップ
997型タルガ以来続く四輪駆動
タルガらしい硬すぎないサスペンション
姿勢制御と乗り心地との見事なバランス
従来以上に増したドライバーへのアピール力
ポルシェ911タルガ4S PDK(欧州仕様)のスペック

クーペとカブリオレとの間の小さなギャップ

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ポルシェの中でも、気取り屋のモデルとして見られることがある、911タルガ。コアな911ファンの一部には、シリアスなスポーツカーではなく、ハリウッドの目抜き通りでひけらかすようなモデルだと受け止める人もいるだろう。

その反面、AUTOCAR英国編集部には、911タルガを好きなメンバーが何人もいる。腕利きのドライバーでも、タルガルーフのアイデアを嫌いにはなれないようだ。

ポルシェ911タルガ4S PDK(欧州仕様)
ポルシェ911タルガ4S PDK(欧州仕様)

筆者もその考えに賛同する。最新の992型タルガを見てほしい。ルーフを大胆に開いても、911らしいサイドシルエットは、ほとんど変わらないのだから。

リアウインドウまで消えてしまう最新のカブリオレも、今まで以上にハンサムになった。でもタルガほど、粋なルックスの訴求力は得ていないと思う。相当にカッコ良い。

威風ある容姿のタルガが、英国編集部やエンスージァストから愛されてきたことは事実。一方、基本的な911のモデルツリーの中で、タルガが頂上に位置することもなかった。

ルーフがない分、ボディ剛性はクーペより劣り、車重もかさむ。特にリア周りで、重心位置は高くなる。ダイナミクス性能を鈍らせてしまう要素は少なくない。代々、受け継がれてきた短所ともいえる。

クーペとカブリオレとの間にある小さなギャップを埋めるべく、存在してきたタルガ。同時にこれまで、ポルシェの目指すところを正確に表現できていなかった。魅力的なスタイリングは別として。

997型タルガ以来続く四輪駆動

最新の992型タルガはどうだろう。多少の妥協は、従来どおり避けられないのだろうか。左ハンドル車ではあるが、試乗して確かめてみよう。

992型の911タルガには、2種類のモデルが存在する。ベースのタルガ4と、パワフルなタルガ4S。つまり、どちらも四輪駆動。2006年に登場した997型タルガ以来、変わらない駆動方式だ。

ポルシェ911タルガ4S PDK(欧州仕様)
ポルシェ911タルガ4S PDK(欧州仕様)

タルガ4に搭載されるエンジンは、ポルシェ製の3.0Lツインターボ・フラット6。最高出力385ps、最大トルク45.8kg-mと、不足はない。

タルガ4Sでは、450psと53.9kg-mまで引き上げられる。その結果、1675kgもあるスポーツカーを、静止状態から3.8秒で100km/hまで届けてくれる。最高速度は304km/hだ。

トランスミッションは、タルガ4では8速PDKのみとなるが、4Sでは7速MTも選べる。英国価格はタルガ4が9万8170ポンド(1325万円)で、タルガ4Sが10万9725ポンド(1481万円)。MTを選ぶと、追加費用なしでスポーツクロノ・パッケージが付く。

今回の試乗車は、タルガ4SのPDK版。スポーツクロノ・パッケージがオプションで装備されていた。ポルシェ製のアクティブ・サスペンション・マネージメント(PASM)と呼ばれるアダプティブ・ダンパーと、トラクション・マネージメント(PTM)は4と4Sで標準装備となる。

4Sではさらに、トルクベクタリング(PTV)・プラスと呼ばれる電子制御リアデフも標準で搭載。MT版ではPTVが、メカニカルLSDとなる。

タルガルーフの開閉時間は19秒。走行中の開閉は、徐行でもできない。

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