【知ってた?】売れ続けるトヨタ・シエンタ、じつは1年間販売終了していた 背景に「誤算」 復活したワケ

公開 : 2020.08.30 05:50  更新 : 2021.10.13 12:20

トヨタ・シエンタは、コンスタントに売れ続けています。両側スライドドア/3列シートがファミリー層に受けています。そんなシエンタ、じつは1年間販売終了していました。背景に「誤算」。復活の理由と関係しています。

シエンタ 「ずっと」売れ続けている

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

コアなクルマファンからしてみれば、あまり話題に上がることも多くないであろうトヨタ・シエンタ。

現在販売されているモデルは2015年7月に登場した2世代目であるが、昨年の8月、9月と月間販売台数ランキングの1位を記録するなど、コンスタントに売れ続けている車種である。

トヨタ・シエンタの特別仕様車「グランパー」。「アウトドア・カジュアル・テイスト」とトヨタは表現する。
トヨタ・シエンタの特別仕様車「グランパー」。「アウトドア・カジュアル・テイスト」とトヨタは表現する。    トヨタ

このシエンタ、ボディサイズこそコンパクトであるが、両側スライドドアを備えた3列シート車として若いファミリー層を中心に支持を集めている。

現行モデルからはハイブリッド仕様も用意されたことで盤石の地位を築いている。

2018年のマイナーチェンジ時には3列目シートを省き、2列目シートを倒すことで2mを超える荷室長を実現した「FUNBASE」という5人乗りのグレードを追加。

昨年にはグランピングなどのアウトドアレジャーを楽しむユーザーに向けた「グランパー」という特別仕様車をリリースするなど時代の流れを上手く組み上げた。

陳腐化しない取り組みが続けられているのも人気の秘訣と言えるだろう。

しかし、そんなシエンタにも一時期、モデル消滅の危機があったことをご存知だろうか? 

それは初代モデルが登場して5年後の2008年のことである。

後継の登場 一旦は生産終了していた

現在は2世代目となるシエンタ。初代モデルは2003年に登場した。

こちらも現行モデルと同じく5ナンバーのコンパクトサイズで両側スライドドアを持った3列シート車というパッケージングは不変だった。

トヨタ・パッソセッテ。セッテ(SETTE):イタリア語で「Sette(7)」の意味。パッソブランドの7人乗り乗用車を表現したネーミング。
トヨタ・パッソセッテ。セッテ(SETTE):イタリア語で「Sette(7)」の意味。パッソブランドの7人乗り乗用車を表現したネーミング。    トヨタ

いっぽうフロントに丸目タイプのヘッドライトを備えるなど、やや可愛らしいルックスがウリとなっていた。

初代モデルも決して不人気モデルというわけではなかったが、2008年に同じくコンパクトクラスの3列シート車であるパッソセッテが登場する。

こちらはコンパクトカーのパッソがベースとなったモデルだ。シエンタに対してスライドドアを持たないという点に違いがあるものの、その分価格を安く140万円台~と安価に設定。

より幅広い層を取り込もうとしていたのだ(なお、パッソと兄弟車関係にあるダイハツ・ブーンと同じく、パッソセッテの兄弟車としてブーンルミナスが存在していた)。

当初はシエンタも併売していたものの、2010年夏にはシエンタの生産を終了し、同クラスの車種をパッソセッテ1本に絞った。

本来であればこれでバトンタッチが完了し、シエンタはお役御免となるハズだった。

が、ここで大きな誤算が発生していた。

それはパッソセッテの販売が思った以上に伸び悩んでいたということだ。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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