【運転席も素晴らしい】メルセデス・ベンツSクラス S 500へ試乗 レベル3を実現 前編

公開 : 2020.11.11 10:20

最善か無か、というかつてのキャッチコピーを体現するように、技術と動的性能、快適性を追求した新型Sクラス。レベル4対応の自律運転システムを備え、アウトバーンではレベル3での走行を実現しています。ドイツで試乗しました。

もくじ

アウトバーンでレベル3の自律運転
当面は先代譲りの直列6気筒を搭載
空力性能を高めるフラッシュ・ハンドル
容姿は保守的でも、インテリアは華やか

アウトバーンでレベル3の自律運転

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最も先進的な量産モデルを、スリーポインテッド・スターとして生み出す。1926年のブランド誕生以来、メルセデス・ベンツはSクラスへと通じる高度なモデルを作り続けてきた。

「投資金額では、ほかのメルセデス・ベンツ製モデルが接近することはありません」。と話すのは、ユルゲン・ヴァイシンガー。7代目のSクラスや、純EVのEQSの開発に関わるエンジニアだ。

メルセデス・ベンツSクラス S 500 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツSクラス S 500 4マティック(欧州仕様)

最新のSクラスは、先代とはまったく異なる技術的な哲学で生み出されている。フラッグシップとしての価値や快適性、洗練性や動的性能などを前提として、電動化やデジタル技術、コネクティビティなどが中心的な存在になっている。

ネットワーク環境などの条件が必要だが、Sクラスは駐車場の中を自動的に走行し、自ら空いているロットを見つけ、駐車を完了してくれる。ドライバーなしでの自律運転に対応した、メルセデス・ベンツ初の量産モデルとなった。

このパークパイロット・システムは、レベル4水準の高度な自律運転技術で可能となる機能の一部。ライバルメーカーのモデルには、まだ実装させていない。

さらにSクラスは、EUが規定する59km/hまでの速度域で、レベル3に相当する自律運転を可能としている。ただし当面利用できるのは、ドイツのアウトバーンで、一部の区間のみだが。

ライダー(レーザー)とレーダー(電波)、超音波センサー、カメラに加え、量産車初といえるほどに高性能なGPSシステムを搭載。ドライバーの目を担ってくれる。

当面は先代譲りの直列6気筒を搭載

コネクティビティも強化。クルマにはSIMカードが内蔵され、50を超える車両コンポーネントのソフトウエアを、遠隔でアップデートできるという。ライバルメーカーの台頭もあるが、Sクラスとしては技術的に、一足飛びに先へ進んだ印象だ。

搭載する運転支援システムとしては、合計で20以上にものぼる。試乗する1周間前、ドイツでの発表があった時は、エンジニアの緊張感が伝わってきた。普段は自信ある雰囲気なのだけれど。

メルセデス・ベンツSクラス S 500 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツSクラス S 500 4マティック(欧州仕様)

先進技術が満載といったところだが、当初のパワートレインは先代譲り。2020年12月から英国ではデリバリーが開始されるが、その時点では6代目からアップデートを受けた、2種類の直列6気筒エンジンが載る。

ターボ加給される2.9Lディーゼルは、286ps版がS350dへ、339ps版がS400d 4マティックへ積まれる。3.0Lのマイルド・ハイブリッド・ガソリンターボは、441ps版がS500 4マティックへ搭載される。今回の試乗車は、これだ。

4.0L V8マイルド・ハイブリッド・ガソリンターボが載るS580や、新開発のプラグイン・ハイブリッドが載るS580eなどが続く。このS580eは、EVモードでの走行距離が99kmにまで伸び、先代のS560eの2倍以上も電気だけで走れる。

マイバッハS650には、ツインターボの6.0L V12エンジンを採用。古くからのSクラス・ユーザーでも、不満はない選択肢となるだろう。

7代目Sクラスのスタイリングの進化は、技術内容と比べると穏やか。コンサバティブな高級モデルのオーナーも、眉をひそめることはなさそうだ。

 

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