【ジャガーFタイプとの比較】トヨタGRスープラ(3)長期テスト 見えてきた特徴

公開 : 2020.11.28 11:50

長い開発期間を経て登場したトヨタ・スープラ。充分な荷室と不足ないパワーを備えていますが、今後に続く相応しい性格付けは与えられているのでしょうか。スポーツカーとしての本性を、長期テストで確認していきます。

もくじ

積算4229km ステアリングのスポーク 
積算6968km 3700kmのイタリア旅行
積算8067km 長距離ドライブで見えてきた特徴
価格で近似するFRのジャガーFタイプ
路面の変化に敏感 ステアリングの薄い感覚
テストデータ

積算4229km ステアリングのスポーク 

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
トヨタGRスープラで、惜しいのがステアリングホイール。リム全体はスリムなのだが、3時と9時の位置に極太のスポークが伸びていて、うまく握ることができない。

シフトパドルもBMWの方が大きく、操作時のフィーリングも良い。ドイツ製のものに変えてもらえないだろうか。

トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)

積算6968km 3700kmのイタリア旅行

先月、GRスープラでイタリアへ向かった。本当に素晴らしい自動車旅行だった。往復3700kmの旅となったが、一切のストレスは感じなかった。

幹線道路では見事な洗練性を発揮し、カーブの多い裏道に入れば、適度なコンパクトさで扱いやすい。タイヤの空気圧を280kPaへ高めていたが、ライバルより快適な乗り心地だったと思う。

トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)

積算8067km 長距離ドライブで見えてきた特徴

GRスープラが英国編集部へやってきて、数ヶ月が経った。ドライビングの良さには、まだあまり触れていない。

意図的に後回しにしてきたわけではないものの、GRスープラを理解するには少しの時間が必要で、複雑な答えを導き出したいと考えていたためだ。

トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)

2019年5月の発表試乗会に参加できなかったことも、さほど残念ではなかった。初期モデルの初試乗は、とても難しい。情報が不確かな時があるし、不慣れな道を1・2時間程度運転しただけでのレポートには、あまり気が進まないというのが本音。

ようやく、ドイツ・アウトバーンでの高速域とイタリアへの長距離旅行とで、GRスープラの優秀ぶりに触れたいと強く感じるようになった。並外れて良いのだ。

価格で近似するFRのジャガーFタイプ

クルージングはとても静かで、サスペンションは当たりが柔らかい。短いホイールベースから想像するより、穏やかな気持ちで運転していられる。

英国の郊外の道でも、BMW M2のような走りにフォーカスしたクルマより、休憩の回数は少なくて済む。オーナーとして普段の足に乗る場合、長距離移動でもGRスープラを気兼ねなく選択したいと思える。

トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)

回数としては、5回のうち2回くらい。オールラウンダー的なモデルだと、充分に呼べると思う。

今回は考えを整理するため、あまり比較されることはないものの、内容を考えれば直接的なライバルに当たるモデルへ試乗した。4気筒エンジンのジャガーFタイプ、P300だ。

英国での価格は、5万4510ポンド(735万円)から。GRスープラの価格とほぼ同じ。トヨタの方がエンジンは2気筒多く、扱いやすい太いトルクもあり、若者受けするモデルではある。それでも、興味深い比較だといえる。

GRスープラの方が装備は充実し、BMW由来の好感触なエンジンを載せている。内装の組み立て品質なども高い。路上での存在感は、両車とも互角。多くの視線を集める。それでも、新しくまだ珍しいGRスープラへの注目度の方が勝るようだ。

ジャガーFタイプに乗っていると、GRスープラで気になる点が見えてきた。1つ目は、弱いながらアンダーステア傾向にあること。グリップ力の限界領域まで迫る必要もなく、明らか。