【ラインナップに強い味方】アウディA3スポーツバック 40 TFSIeに試乗 エンジンとモーターの融合

公開 : 2021.01.05 19:05

アウディらしいデザインや高品質に合わせるように仕立てられた、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)が最新のA3へ登場。滑らかな印象を乱してしまう、ノイズと乗り心地を英国編集部は指摘します。英国の一般道で評価しました。

A3にシステム総合203psのPHEV

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
選択肢が増え続けるアウディのA3。ハッチバックや4ドアサルーンのほか、欧州ではカブリオレも用意されている。熱々のS3に、それを超えるRS3もある。愛犬が喜ぶアバントはないが、大体の人のニーズはまかなえるだろう。

ドライブトレインも幅広い。ガソリンとディーゼルのエンジンがこれまでの選択肢だったが、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も追加となった。システム総合での最高出力は、203psと245psから選べる。

アウディA3 スポーツバック 40 TFSIe Sライン(英国仕様)
アウディA3 スポーツバック 40 TFSIe Sライン(英国仕様)

先に発表となったのは、S3スポーツバックの40 TFSIe。モデル名末尾の「e」が、電動化されていることを示している。

150psを発揮する1.4Lのガソリンエンジンに、108psの電気モーターを結合。システム総合での最高出力は203psで、最大トルクは35.6kg-mを実現。最大トルクは、1550rpmという低いエンジン回転数から得られる。

0-100km/h加速は、7.6秒と充分素早い。261psのメルセデス・ベンツA 250eほど鋭いわけではないが、こちらに対抗するA3として、アウディは45 TFSIeを用意している。

電気モーターは先代のA3と同様、6速デュアルクラッチATに内蔵。前輪を駆動する。電気モーターとバッテリーだけで、最大140km/hの速度域までをカバー。航続距離は、理想的に走れば64kmに届くらしい。

13kWhの容量があるバッテリーは、リアシートの下に搭載。燃料タンクが荷室下に移動され、荷室容量は380Lから280Lへと小さくなっている。かなりの違いだ。

上質なインテリアに、滑らかな電気モーター

インテリアのデザインや質感は、アウディの定評通り良好。ダッシュボードの中央にはタッチモニターが収まるが、小さなシフトノブの前方にはエアコン用として、実際に押せるボタンが残されている。

ステレオのボリューム用ボタンも付いているものの、ドライバーならステアリング上のスイッチで操作した方が手っ取り早い。助手席用だろう。

アウディA3 スポーツバック 40 TFSIe Sライン(英国仕様)
アウディA3 スポーツバック 40 TFSIe Sライン(英国仕様)

長時間過ごすのに居心地良い空間で、デザイナーが細部にまでこだわっていることがうかがえる。ドアハンドルですら、丁寧な造形だと思う。

プラグイン・ハイブリッドだけあって、40 TFSIeは基本的に電気モーターだけで走り出す。カタログ上では64kmながら、試乗した日の航続距離は満充電で40kmと表示されていた。冬の寒さの影響と思われる。

実際に試乗したところ、40kmを走り終えたところで、まだもう数kmは走れるようではあった。電気モーターは期待通りに滑らか。豊かなトルクで、100km/hまでなら幸せな気持ちで走れる。

回生ブレーキの効きは強いものの、ワンペダル・ドライブはできない。停止するには、ブレーキペダルを踏む必要がある。

激しい加速を求めない限り、40 TFSIeはバッテリーが切れるまで極力EVモードで走ろうとする。さらなるダッシュ力を引き出そうとすると、エンジンが起動。トルクを上手に高めてくれる。加速感は、203ps以上あるように感じられるほど。

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