【車台も新開発】フォルクスワーゲン 次期フラッグシップEV「プロジェクト・トリニティ」公開

公開 : 2021.01.22 06:45

フォルクスワーゲンが開発中の新型EVが一部公開されました。最新技術のショーケースとしてデビューします。

高度な自動運転システムにも対応

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

フォルクスワーゲンは、開発中のフラッグシップEV「プロジェクト・トリニティ」を一部公開した。

プロジェクト・トリニティは、「アイコニックなデザインの高効率フラットシートコンセプト」とされている。ティザー画像ではカバーに覆われているが、強調されたホイールアーチや、ID.3にも似たフロントマスクのシルエットが確認できる。

フォルクスワーゲン・プロジェクト・トリニティ
フォルクスワーゲン・プロジェクト・トリニティ    フォルクスワーゲン

新しいプラットフォームの詳細はまだ明らかにされていないが、「フラットパネル」構造により、柔軟性を高め、室内空間を最大化できるだろう。

フォルクスワーゲンはこのプラットフォームを使用して「根本的に新しい生産アプローチ」を開拓し、経済的かつ効率的にEVを製造する新しい方法を実証しようとしている。

ドイツ・ヴォルフスブルクの拠点は「高度に自動化されたEV製造のための先駆的な工場」になることが明らかになっており、そこで最初に製造されるのがプロジェクト・トリニティと呼ばれる次期フラッグシップEVである。

フォルクスワーゲンのラルフ・ブランドシュテッターCEOは、この新しいプラットフォームにより「自動運転の普及」も実現すると述べている。

プロジェクト・トリニティは、ドライバー監視システムやアダプティブ・クルーズ・コントロールなどを備える「レベル2+」の自動運転機能を搭載し、将来的には「レベル4」にも対応するという。

既存のMEBプラットフォームの要素を取り入れる可能性が高いが、「新しいグループのバックボーンを形成する」というフォルクスワーゲンの方針に沿って、ソフトウェアとパワートレインの大幅なアップグレードを行うという。

非MEBベースのEVがIDファミリーの一部として残るかどうかは不明だが、トリニティの市販モデルが登場するのは、ID.3とID.4が市場に出てから数年後になるだろう。

最新ソフトウェア「VW.OS」開発中

現在のID.3とプロジェクト・トリニティとの差別化の鍵となるのはソフトウェアである。新たに設立されたソフトウェア部門は、2025年までに世界中で1万人以上を雇用し、フォルクスワーゲン・グループの各モデルに使われる自社技術の割合を10%から60%に引き上げることを目標としている。

現在開発中の「VW.OS」と呼ばれるオペレーティングシステムは、車両プラットフォームに相当するソフトウェアとされており、プロジェクト・トリニティが完成したときに初披露されるだろう。

フォルクスワーゲンID.3
フォルクスワーゲンID.3

同部門の元責任者であるクリスチャン・センガーは以前、AUTOCARに対し、さまざまな価格帯の車両に対して異なる機能を搭載し、無線アップデートに対応して、スマートフォンのような機能を提供すると語っていた。

プロジェクト・トリニティの開発計画は、2024年までに高級電動セダンを発売するというアウディのアルテミス・プロジェクトに似ている。

アルテミス・プロジェクトは次期メルセデス・ベンツEQSのライバルとして、5G接続機能やARなど、先駆的な技術を搭載するものとなるだろう。プロジェクト・トリニティとともに、フォルクスワーゲン・グループが将来的に展開する75車種の技術的なショーケースでもある。

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