【1.4億円超え】日産GT-R50 by イタルデザイン 違いは? 詳細解説

公開 : 2021.01.27 11:05  更新 : 2021.10.19 19:44

日産とイタルデザインがコラボした「GT-R50 by イタルデザイン」。「1.4億円超え」に対面しました。

GT-R×イタルデザイン

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
photo:Hiroyuki Kondo(近藤浩之)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

1969年に初代モデルが登場した日産GT-R(当時はスカイラインGT-R)と、1968年に創業したイタリアの名門カロッツェリアであるイタルデザイン社、それぞれの50周年を記念して世界限定50台で販売される「GT-R50 by イタルデザイン(以下、GT-R50)」

2018年の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で初披露され、2019年の東京モーターショーでも展示されたプロトタイプとは異なり、実際にナンバーを取得したほぼ市販版のテストカーが3月31日までの期間、ニッサン・クロッシングで一般公開されている。

日産GT-R50 by イタルデザイン
日産GT-R50 by イタルデザイン    近藤浩之

テストカーはサーキットを中心に実際に走り込みがなされた個体で、オドメーターは8500km近い数字を刻んでおり、GT-R50にかける本気度を垣間見ることができる。

このGT-R50、名前だけを聞くと日産GT-Rをベースとして、イタルデザインがデザインしたボディを架装しているという印象を持たれるかもしれないが、実はデザインの原案は日産側のもの。

「究極のGT-R」をテーマに世界中の日産デザインチームから募ったアイデアのなかから、カリフォルニアのデザインスタジオ所属のデザイナーのマーカス・クァ氏が創り上げたデザインが採用されたのである。そして、そのデザインを現実のものとする役割を受け持ったのが、イタルデザインというわけなのだ。

イタルデザインがデザインを担当しないというのは不思議に思う人もいるかもしれないが、そもそもカロッツェリアとはイタリア語で「馬車製造工房」を意味していたので、至極当然ともいえるだろう。

エンジン、ニスモGT3用リファイン

搭載されるエンジンはベースのGT-Rと同じVR38DETT型だが、レーシングカーのニスモGT3に搭載されているハイチューン版を街乗りもできるようにリファインしたものが採用されている。

そのスペックは720ps/80kg-mと、GT3マシンを超えるものとなっているが、これはGT3マシンには性能調整用のリストリクターがついており、レースのレギュレーションとは無関係のGT-R50にはついていない、という違いがあるからだ。

日産GT-RニスモGT3
日産GT-RニスモGT3    ニスモ

また組み合わされるミッションはGT3のものではなく、市販のGT-Rにも搭載されるデュアルクラッチ・シーケンシャルギアボックスをパワーに対応できるように強化したものが採用されるため、Dレンジに入れたままのイージードライブを楽しむことも可能となっている。

そして、その大パワーを受け止める足元には、カーボンセラミック製のブレーキ(テストカーは走り込みをするために通常のブレーキに換装されていた)と、こちらもイタリアの名門ホイールメーカーであるOZ製の21インチアルミホイールにフロント255、リア285幅のミシュラン・パイロットスーパースポーツ(テストカーは別のタイヤを装着)が組み合わされる。

足回りも表記こそGT-Rニスモに備わる「ビルシュタイン・ダンプトロニック」のままだが、ボディのジオメトリー変更に伴ってバネレートや減衰力なども当然見直されており、より高い次元での動力性能を実現している。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 近藤浩之

    Hiroyuki Kondo

    某自動車雑誌を経てフリーに。2013年に(株)スカイピクチャー設立(とはいっても1人で活動)。仕事は写真/動画の撮影編集、たまに作文。対象はクルマを始め、建築/フード/人物など幅広いが、要は何でも屋の便利屋。苦手なことは、自分のプロフィールを自分で書くこと(要はこの文章)

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