【走れないのに、なぜ高額?】フェラーリF2004 シューマッハー仕様の展示用F1マシン、オークションに マラネッロ製

公開 : 2021.02.23 11:55  更新 : 2021.10.11 09:39

ミハエル・シューマッハーが2004年に最後となるワールドチャンピオン獲得に貢献したフェラーリF2004が競売に。展示用のダミーですが、驚きの額で落札されたのです。

F1ディスプレイ車とは

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:Tom Gidden/RM Sotheby’s

フェラーリでは実戦を闘うマシンのほか、フェラーリ社や主要スポンサーのマールボロ、シェルなどがイベントに使う、プロモーション用のF1マシン・ディスプレイ車を2000年頃から作るようになった。

製作はマラネッロのF1部門であるジェスティオーネ・スポルティーバが担当し、外から見える部分は実戦用マシンと同じパーツが使われていた。

シューマッハー仕様のF1マシン、フェラーリF2004ショーカーが、フランスで開催されたオークションに登場。
シューマッハー仕様のF1マシン、フェラーリF2004ショーカーが、フランスで開催されたオークションに登場。    Tom Gidden/RM Sotheby’s

しかし、よく見ると機能しなくてもいい部分は微妙に省略されている。

もちろんエンジンは積まれておらず、ブレーキはキャリパーが付くものの、ブレーキラインは存在しない。あくまでも見た目でF2004の雰囲気を伝えるもので、ステアリングホイールも同型ながらスイッチや液晶パネルは機能しない。

実戦機と同じに見えればよいと割り切って作られた展示用のハリボテなのである。

なおディスプレイ車は走れないが、設置のために押せば動くようになっている。

2月13日に開催されたRMサザビーズのパリ・オークションは、会場に入札者を集める方式ではなく、今やスタンダードとなったオンラインで行われた。

そこに、フェラーリF2004ディスプレイ車が姿を見せたのだ。

F2004 R14とは

ディスプレイ車のほとんどはスポンサーに提供され、残りはフェラーリ社が所有するため、普通は手に入らないレアな存在といえる。

実動状態のフェラーリのF1マシンなら、フェラーリ社が運営する「F1クリエンティ」で販売されることに。あくまでも個人でフェラーリF1を乗って楽しむためのプログラムだけに、販売に際しては新オーナーのドライビングスキルが厳しくチェックされる。

ディスプレイ用のため、ステアリングホイールも同型ながらスイッチや液晶パネルは機能しない。
ディスプレイ用のため、ステアリングホイールも同型ながらスイッチや液晶パネルは機能しない。    Tom Gidden/RM Sotheby’s

そのため、予算があってもフェラーリ社が定める条件をクリアしなければ売ってもらえないのだ。ましてや展示用となると、売りに出されないのは言うまでもない。

「F1クリエンティ」で販売される、実走可能なF1マシンの販売価格には、走行イベントの参加費、輸送費、基本メンテナンス代までが含まれる。

その値段は公表されていないが、伝え聞くところで3億円くらいになるという。実際にはマシンのヒストリー(搭乗ドライバーや優勝回数)により変動するそうだ。

今回出品されたフェラーリF2004ディスプレイ車には、ちゃんと実戦用マシンと同シャシープレートが取り付けられている。

そこには「F2004 R14」と打刻されていることから、14台目のF2004ディスプレイ車と思われる。

実戦用のシャシープレートには 「F2004 N°000」と打刻される。000の部分にはフェラーリのF1マシン専用のシリアルナンバーが入るわけだ。このナンバーは、1970年の312Bの001から始まったもので、以来現在のマシンまで連番で引き継がれている。

ちなみに実戦用F2004は、シリアルナンバーで234から241までの8台を製作。

F2004ディスプレイ車の製作台数は不明だが、少なくとも実戦用を上回る14台が作られたことになる。

この記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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