三菱アウトランダーPHEV

公開 : 2014.02.13 21:40  更新 : 2017.05.29 19:26

■どんなクルマ?

52.4km/ℓという脅威の燃費をマークする三菱アウトランダーPHEVだ。この燃費は、NEDCテスト・サイクルにおける新記録でもある。

このアウトランダーPHEVは、ミッドサイズの5シーター、そして大きなブートスペースを持つプラグイン・ハイブリッド4×4だ。チャージは30分で80%が可能。そして、何よりもランニング・コストが、通常の2.2ℓモデルよりも遥かに安い。もちろん、その燃費は、ドライビング・スタイルや路面状況によって変化するが、2.0ℓのガソリン・エンジンと2台のモーターを組み合わせたハイブリッド・システムは、非常に優れた燃費をもたらす。と同時に、CO2排出量も僅かに44g/kmという値だ。これは英国ではロンドン渋滞税が掛からない数字である。

残念ながらマイナス面もないわけではない。それは、フロアに搭載されたバッテリー・パックの重さと、ブート・スペースが14ℓほど減少したこと。そして、リアのフートスペースも僅かならが小さくなっていることだ。

■どんな感じ?

乗り込んで先ず最初に感じるのはキャビンのクオリティだ。暗く、決して優れているとはいえないインテリアだ。それでも三菱のインテリアのクオリティは上がってきてはいるのだが……。また、インストルメントはEVそのものといったデザインがされている。

バッテリーが充電されていれば、アウトランダーは静かに走りだす。それがエネルギーを最大限に有効活用する手段で、80bhpのモーターが素直にスロットルに反応するだけだ。ピーク・トルクは、フロントが14.9kg-m、リアが19.9kg-mで、パフォーマンスは0-100km/h加速が11.0秒だ。112km/hを超えると、エンジンが動き出す。

EVでの走行は、実に緻密だ。しかも、三菱はエンジン・ノイズやロード・ノイズ、そして風切り音までうまくコントロールする設計をしている。12kWhのリチウム・イオン・バッテリーが底をつくと、エンジンは発電機としてスタートするが、その際の継ぎ目はほとんどかじられない。

ドライバーはバッテリー管理のために特定のレベルを保つためにバッテリー・チャージ・モード・スイッチを押すことが可能だが、その場合も70%はバッテリーの充電に当てられる。

ジョイスティック・タイプのセレクターでは、エネルギー再生のレベルを決めることができる。アクセルに忠実な走りを楽しむならDに、回生ブレーキを強く効かせるならBと。しかもBは2段階にから選択でき、合計5つのレベルが選択可能だ。しかし、それほど積極的にセレクトするようなものではないとも感じた。

乗り心地は納得できるものだった。テスト・ルートはかなり深い凸凹のある道もあったが、アウトランダーはあらゆるバンプに対応できるように設計されていることがわかった。ステアリングはやや頼りないが、このボディ・サイズはSUVとして非常に扱い易い、適切なサイズといえるだろう。

三菱エボリューションのために当初は開発された、パワー・ディストリビューションやヨー・コントロール、そしてABSの動作を含み制御するS-AWCモデルは標準だ。しかし、物理的な事象ついては、すべてがコントロールできるわけではない。重量配分は55:45と、比較的理想的だが、重いバッテリー・パックを抱えたクルマであるということには変わりないからだ。

しかし、それでも充分に信頼に足るシャシーが与えられており、大部分のオーナーにとっては十分すぎる性能を持っているといえる。

■「買い」か?

残念ながら英国では4月までその販売スタートを待たなくてはならない。ただ、それを待ってでも充分に価値のあるクルマだということができる。他の如何なる4×4モデルもテクノロジーや能力でこのアウトランダーPHEVに対抗しうるものはない。そういった意味では、ライバルが存在しないクルマともいうことができる。残念ながら三菱はその価格については、まだ一切の発表をしていない。それが、一般的な2.2ℓディーゼルよりも幾らのプレミアムになるかが、非常に気になるところだ。

(ジム・ホルダー)

三菱アウトランダーPHEV

価格 £35,000(594万円)
最高速度 170km/h
0-100km/h加速 11.0秒
燃費 52.4km/ℓ
CO2排出量 48g/km
乾燥重量 1810kg
エンジン 直列4気筒2000cc + 2x80bhpモーター
最高出力 220bhp
最大トルク 44.,2kg-m
ギアボックス ダイレクト・ドライブ

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