【AでもRSでもなくSという選択】アウディS3セダン試乗 絶妙なハンドリングの「生っぽさ」

公開 : 2021.06.23 05:45

アウディS3セダンに試乗。クールで知的な佇まいと信頼感のある足まわりが魅力の1台といえます。

Sモデル 「しなやかだけどコシのある」

text:Tatsuya Otani(大谷達也)
photo:Keigo Yamamoto(山本佳吾)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

いきなり個人的な話で恐縮だが、わたしはもうずいぶんと前からアウディのSモデルに惚れ込んでしまっている。

たしかにクルマの純粋なパフォーマンスで比べたら、SモデルはフラッグシップのRSモデルにかなわない。

アウディS3セダン
アウディS3セダン    山本佳吾

でも、公道を走るだけだったらSモデルで十分以上。

おまけにSモデルの足まわりは、日常的なシチュエーションで、RSモデルより一段と快適な乗り心地をもたらしてくれる。

「でも、快適性だけでいえば、スタンダードなAモデルのほうがさらに上でしょ?」とアナタは訝しがるかもしれないが、SモデルとAモデルの関係はそれほど単純なものではない。

サスペンションのスプリングレートや減衰率の絶対値を比較すれば、SモデルのほうがAモデルより間違いなく高いはず。サスペンションストロークだって、Aモデルのほうがたっぷりしている。

でも、Sモデルはダンパーの質が一段と優れているのか、短いストロークのなかで効率よくショックを吸収。

たとえていえばSモデルの乗り心地は「しなやかだけれどコシがあるタイプ」で、わたしにはSモデルのほうが快適に感じるくらいだ。

ところで、ハイパフォーマンスモデルをSモデルとRSモデルの2段階構成にしたのは、プレミアムブランドではアウディが最初だった。

最近はBMWがMパフォーマンス・モデルを、AMGは35、43、53といったモデルを投入して「ハイパフォーマンスモデルの2段階化」を図っているけれど、その先駆けがアウディのSモデルだったことは疑う余地がない。

そういえば、Sモデルによく似たライバルメーカーのハイパフォーマンスモデルがこぞってフルタイム4WDを採用しているのも、アウディを見習っている証拠かもしれない。

新型S3セダン クールで知的な佇まい

そんなSモデルの系譜に最新のS3が加わった。

排気量2Lの4気筒ターボ・エンジンをフロントに横置きし、アウディ自慢のクワトロを介して四輪を駆動するという基本的な成り立ちは従来型と同じ。

アウディS3セダン
アウディS3セダン    山本佳吾

ただし、エンジンの最高出力と最大トルクは20psと2.0kg-m上乗せされて310psと40.8kg-mとなった。

また、スポーティな足まわりが与えられるS3はA3に比べて全高が低くなるのが慣例だが、その差は従来型の10mmから新型では15mmに拡大。

これは、より俊敏なハンドリングを目指した結果と推測される。

ハイパフォーマンスモデルにもかかわらず、極端に派手な装飾を施さないのもSモデルの伝統である。

新型S3の場合も、ハニカムグリルの「マス目」をA3より大きくしたうえでメッキ加飾を部分的に施したり、ドアミラーを歴代Sモデルと同じようにアルミ仕上げにしてあるものの、これみよがしなところはどこにもない。あくまでもクールで知的な佇まいだ。

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