【6気筒の方が幸せ】BMW 4シリーズ(6) 長期テスト 変化の小さいドライブモード

公開 : 2021.07.03 09:45  更新 : 2021.07.12 18:55

SUVが主役となった自動車市場に、2ドアクーペの居場所はまだあるでしょうか。最新BMW 4シリーズの実力を、長期テストで英国編集部が確かめます。

積算5365km 自動でオンのシートヒーター

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
前回はレーンキープ・アシストのことを触れたが、BMW 4シリーズには、ヒーター内臓のステアリングホイールとシートも付いている。どちらも外気温が7度を下回ると、自動的にオンになる。

シートが温まるのは一部分だけだが、寒い日は快適に過ごすことができる。こちらは非常にスグレモノだ。

BMW 440i xドライブ・クーペ (英国仕様)
BMW 440i xドライブ・クーペ (英国仕様)

積算6570km 6気筒エンジを選ぶ必要性

最近筆者は、BMW M440iの車内で穏やかな時間を楽しんでいる。週末の早朝の気晴らしには、丁度いい。

ロックダウンの規制がゆるくなり、最近はM440iを十二分に満喫できるようになった。先日は英国東部、リンカーンシャーに住む祖父母を訪ねるついでに、素晴らしい道の運転も叶った。4シリーズの走りを確かめる、丁度いい機会になった。

BMW 440i xドライブ・クーペ (英国仕様)
BMW 440i xドライブ・クーペ (英国仕様)

といっても、キリキリに攻め込んだ領域を試したわけではない。420dと比べて、燃費の違いなどを確かめた程度ではある。

以前から筆者が自分でBMWを選ぶなら、少し予算をプラスして6気筒エンジンにしたいと考えていた。ディーゼルでもガソリンでも問わない。しかしM440iの前に乗っていた420dが、その考えに疑問を投じてくれた。

あらゆるクルマでの移動に対し充分なパワーを与えてくれ、追加の2気筒が本当に必要なのか掴めなくなっていた。燃費もイイ。しかし今回、M440iを長めに乗れたことで整理がついた。

M440iの方が幸せに感じる

道は空いていて視界も良好。雨も降っておらず、BMWのクーペにはぴったりの条件。長年理想としてきたドライブ旅行のように、気持ちの良いものだった。

郊外の一般道では、M440iの方が幸せに感じられたことは事実。420dより軽快に吹け上がるエンジンは、間違いなく気持ちの変化を与えてくれた。加えて、ノーズヘビーな印象も軽減されているようだ。

BMW 440i xドライブ・クーペ (英国仕様)
BMW 440i xドライブ・クーペ (英国仕様)

小さな違いかもしれない。だがM440iは、コーナーへわずかにシャープに喰らいつくような感覚があった。天気の良い朝のように開放的な気分にしてくれた。

荷重移動は素晴らしく滑らかで、ボディロールは抑制が効き、操る面白さを生んてくれる。確かなグリップ力が、自信を沸き立たせてくれる。

コーナーを流れるように旋回し、記憶に残るようなクルマとの一体感とサウンドを楽しめる。愚かな速度域へ踏み入れなくても。

トルクコンバーター式の8速ATの制御も、M440iの方が優れているようだ。420dでは、ハーフスロットルで交差点に侵入すると、変速でもたつく場面がしばしばあった。直6との組み合わせの方が、はるかにスムーズだ。

ドライビングモードは複数用意されているが、どれを選んでも得られる体験に大きな違いはない。コンフォートからスポーツ・モードへ切り替える必要がないほど、M440iは優れている。

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