【ミドエンジンを模倣】電動化のポルシェ718 独自のバッテリー設計と専用シャシー採用か

公開 : 2021.09.24 06:25

ポルシェ718は完全電動化にあたり、低重心のバッテリー設計と専用シャシーを採用する可能性があります。

ミッションRが未来の718

2022年に発売される次世代のポルシェ718ケイマンとボクスターには、現在のミドエンジン車の特徴を模して設計された、電動スポーツカー用プラットフォームが採用される見込みだ。

「eコア(e-core)」レイアウトと呼ばれる斬新なバッテリー配置を採用し、その走りの特性に合わせて、可能な限り低い着座位置と低重心を実現するという。

ポルシェ・ミッションR
ポルシェ・ミッションR

ポルシェは先日、EVコンセプトのミッションRを公開した。これは将来のワンメイクレース車両を予告するものでもあるが、未発表のケイマンEVおよびボクスターEVのスタイリングを示唆している。

ポルシェはミッションRについて、同社のデザインスタジオで並行して行われている次期EVモデルのデザインを反映していることを認めている。一部のデザイン要素は、いずれ市販モデルにも反映されるようだ。なお、サイズは現行のケイマンやボクスターに近いものになっている。

ポルシェは、718ケイマンのシャシーを改良したものをミッションRコンセプトに使用している。市販化の可能性について聞かれたオリバー・ブルーメCEOは次のように答えた。

「モデルを電動化する際、内燃機関(プラットフォーム)のキャリーオーバーは行いません。なぜなら妥協点が多すぎるからです」

「将来のスポーツカーを見据えた場合、独自のプラットフォームを開発しますが、いくつかのモジュールは他のクルマと共有します。しかし、プラットフォームは独自のものになるでしょう」

従来のプラットフォームは使用不可?

ミッションRはミドエンジン・スポーツカーのデザインを模倣しており、最も重い部品であるバッテリーをドライバーの後ろ、通常はエンジンがあるリアアクスルの前に配置している。

ポルシェの技術責任者であるミヒャエル・シュタイナーは、このような特異なレイアウトを採用した理由として、空気抵抗を減らすために車高をできるだけ低くする必要があったと述べているが、この方法では、バッテリーを床下に設置する従来の「スケートボード」のようなシャシーを採用することができない。

ポルシェ・ミッションR
ポルシェ・ミッションR

床下にバッテリーを置く方法は、ポルシェとアウディが共有するJ1アーキテクチャーだけでなく、既存のタイカンや今後発売されるPPEプラットフォームにも採用されている。

シュタイナーは次のように語っている。

「一般的な2ドアのスポーツカーでは車高が非常に低くなっていますが、これはシルエットをできるだけ低くフラットにすることで、空気抵抗を減らすためです」

「そのため、ドライバーをできるだけ低い位置に座らせる必要がありますが、そうするとシートの下にはバッテリーを搭載するスペースがありません。今日、多くのスポーツカーがミドエンジンを採用している理由と同じです」

「現在の技術では、バッテリーがクルマの中で最も大きくて重い部品となっています。そこで、わたし達は『eコア』というバッテリーデザインを開発しました。パッケージング的にも重心的にも、ミドエンジンの設計をほぼそのまま再現しています」

さらにシュタイナーは、このデザインが重量配分とバランスにも貢献していると述べている。

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