【ミドエンジンを模倣】電動化のポルシェ718 独自のバッテリー設計と専用シャシー採用か

公開 : 2021.09.24 06:25

バッテリーの衝突安全上の理由も

ミッションRコンセプトでは専用のプラットフォームを採用しているが、シュタイナーによると、市販モデルではそのようなアーキテクチャーは採用しないという。

「電動化によって変わらないプラットフォームはありませんが、当社のポートフォリオの中でそれほど変わらない可能性があるのは、ボクスターやケイマンのようなミドエンジン車のプラットフォームだけでしょう」

ポルシェ・ミッションR
ポルシェ・ミッションR

「ポルシェは10年前、エンジンとトランスミッションのスペースをバッテリーに使えるという理由で、このミドエンジンのレイアウトを採用したプロトタイプを製作しました。しかし、社内では内燃機関、プラグイン・ハイブリッド、完全EV用に対応したコンバージョンタイプのプラットフォームは作らないことに決まっています。重量やパッケージングといった面で妥協があるからです」

「ミドエンジン車であっても、完全電動プラットフォームを設計することには十分な理由があります。これは将来的に変わるかもしれませんが、少なくとも今後数年は変わらないでしょう」

シュタイナーは、911のような後輪駆動車の模倣を試みるのではなく、ミドエンジンのデザインを検討していると述べた。これは、安全上の理由からバッテリーを車体中央の衝突構造内に収めたいと考えているためだ。

このようなレイアウトは、将来的にはランボルギーニアウディといった兄弟ブランドにも採用される可能性があるようだ。シュタイナーは、ミッションRのようなコンセプトを、スーパースポーツカーの「方向性」を持ったレイアウトで開発することができると述べている。

「これは技術的な理由だけではありません。往々にして、『方向性』は市場の好みを汲んでおり、その方向性に沿って技術を開発しようとしているのです」

受け入れられるには軽量化が必要

718ケイマンと同程度の性能を持つ電動スポーツカーが顧客に受け入れられるかどうかを尋ねると、シュタイナーは次のように答えてくれた。

「受け入れてもらえるでしょう。しかし、そのためには軽量化が必要です。本物のスポーツカーをサーキットで走らせても、重さは感じられるでしょう。ハイウェイでは気づかないかもしれませんが、本物のスポーツカーはサーキットでパフォーマンスを発揮しなければなりません」

ポルシェ・ミッションR
ポルシェ・ミッションR

フォルクスワーゲン・グループが現在開発しているSSPプラットフォームは、実質的にフォルクスワーゲンが主導するMEBと、アウディ/ポルシェが開発するPPEを融合したもので、床下にバッテリーを搭載したスケートボード風のデザインが特徴だ。

また、バッテリーデザインの統一化にも取り組んでおり、生産するEVモデルの80%以上に採用することができるとしている。

しかし、そうすると、異なるバッテリーデザイン(eコア)を使用する「ミドエンジン」のレイアウトに合わせるため、新たなプラットフォームが必要になるかもしれない。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ポルシェ ケイマンの人気画像