【歴代ボンドカー傑作選】映画「007」シリーズ 世界最高のスパイが選ぶ名車と珍車

公開 : 2021.10.09 06:05

世界で最も有名なスパイ、ジェームズ・ボンドに選ばれるクルマは、必ずしも最も優秀なクルマとは言えません。

もくじ

世界一有名なスパイが選ぶクルマたち
ベントレー4.5L(1953年、小説「カジノ・ロワイヤル」)
アストン マーティンDB5(1964年「ゴールドフィンガー」)
トヨタ2000GTコンバーチブル(1967年「007は二度死ぬ」)
ロータス・エスプリS1(1977年「私を愛したスパイ」)
シトロエン2CV 6(1981年「ユア・アイズ・オンリー」)
BMW Z3(1997年「ゴールデンアイ」)
アストン マーティン・ヴァンキッシュ(2002年「ダイ・アナザー・デイ」)
アストン マーティンDB10(2015年「007 スペクター」)
ジャガーC-X75(2015年「007 スペクター」)
アストン マーティンDB2/4 MkIII(1964年「ゴールドフィンガー」)
アルファ・ロメオGTV6(1983年「オクトパシー」)
アストン マーティンDBS(1969年「女王陛下の007」)
メルセデス・ベンツ600(1969年「女王陛下の007」)
ロールス・ロイス・ファントムIII(1964年「ゴールドフィンガー」)
フォード・マスタング・マッハ1(1971年「ダイヤモンドは永遠に」)
サーブ900ターボ(小説「The Man From Barbarossa」他)
ランドローバー・ディフェンダー(2021年「ノー・タイム・トゥ・ダイ」)
1960年代:アストン マーティンDB4 GT
1970年代:アストン マーティンV8ヴァンテージ
1980年代:ベントレー・ミュルザンヌ・ターボR
1990年代:ジャガーXJ220 V12
2000年代:ベントレー・ブルックランズ
2010年代:アストン マーティン V12ヴァンテージS(MT)

世界一有名なスパイが選ぶクルマたち

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

諸般の事情により何度も延期されてきた映画「007」シリーズの最新作「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」が、10月1日に日本での公開を迎えた。ハイパーカーのアストン マーティン・ヴァルハラや、新型SUVのランドローバーディフェンダーなど、いつものようにクルマが大活躍する。

60年以上前に活動を開始して以来、名スパイのジェームズ・ボンドは自身が使用するクルマのチョイスを、拳銃、シャンパン、そして仲間と同じくらい真剣に考えてきた。

ジェームズ・ボンドは、映画や小説など数多の作品で人々を魅了してきた男だ。
ジェームズ・ボンドは、映画や小説など数多の作品で人々を魅了してきた男だ。

そこで、ミサイルランチャーや射出座席、水陸両用のことは一旦忘れて、伝説の裏にあるクルマたちをもう少し詳しく見てみよう。世界で最も優秀なスパイが注目する価値があるかどうか分かるだろう。

ベントレー4.5L(1953年、小説「カジノ・ロワイヤル」)

ボンドは根っからのアストン派だと思っていないだろうか? 1953年当時、原作者イアン・フレミングが最初に選んだクルマは、この巨大なベントレーだった。

4.5Lの“ブロワー”ベントレーは、1929年の発売当時でさえあまり良いクルマではなかったし、ましてや24年後にボンドが乗り込んだ時はなおさらだ。創業者のウォルター・オーウェン・ベントレーでさえ、このクルマに過給機をつけることは「デザインを歪めて、性能を落とすことになる」と言って嫌っていた。

ベントレー4.5L
ベントレー4.5L

肝心のレースで勝てなかったのは、故障が多かったからだ。フロントに巨大なヴィリヤーズ製のスーパーチャージャーがぶら下がっていたため、スピードも遅く、扱いづらかった。外観を除いたすべての面で、ボンドカーとしては最悪の選択だった。

アストン マーティンDB5(1964年「ゴールドフィンガー」)

あえて言うのも気が引けるが、DB5は多くの人が信じているほど優れたクルマではない。実際、映画「ゴールドフィンガー」に登場していなければ、今ごろはアストンが製造したモデルの1つとしてしか評価されていないのではないかと思う。

DB5の魅力は、シンボリックな外観、クラシックなインテリア、そして個性的なエンジンにある。

アストン マーティンDB5
アストン マーティンDB5

しかし、アストンが1950年代に設計したサラブレッド的なスポーツカーから、もっと穏やかでソフトな、ツーリング志向のクルマへと進化した時代のモデルであるため、ドライビング・エクスペリエンスはそれほど独創的ではない。

グスタード・パレス・ホテルに駐車すると素晴らしいが、そこまで山を越えてドライブするのはあまり楽しくない。

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