308とシャシーは同じ ヴォグゾール(オペル)・アストラへ試乗 8代目へ刷新 後編

公開 : 2022.03.05 08:26

オペル・アストラがモデルチェンジ。シャープな容姿に洗練のドライビングを得た最新版を、英国編集部が評価しました。

使い勝手の良い、モダンなインテリア

モデルチェンジした、ヴォグゾールオペル)・アストラ。メーターパネルの表示内容は、ドライバーがある程度変更できる。レイアウトの切り替えは柔軟とはいえず、選べる情報も限られているが、モニター自体はクリアで可読性にも優れる。

上級グレード以外でもオプションで追加できる、ヘッドアップ・ディスプレイはもう少し明るくても良い。サングラスを掛けるような晴天時には、少し見にくいと感じた。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)

ダッシュボード中央、インフォテインメント用モニターの下には、メニュー用のショートカットキーが並んでいて便利だ。エアコン用の、実際に押せるハードボタンも忘れていない。

オペルの営業マンは、インテリアをモダナイズし、シンプルに仕上げたことを強調するかもしれない。だが、しっかり使い勝手の良さは残されているから、ご安心を。

今回筆者が試乗したアストラは、130psの1.2L 3気筒ガソリンターボと、180psのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の2種類。長時間ステアリングホイールを握ったのは、前者の方だった。

トリムグレードは真ん中のGSライン。車内装備がアップグレードされ、座り心地の良いシートが備わるアストラだ。内装も色彩豊かにコーディネートされる。

英国価格は、2万7000ポンド(約418万円)を僅かに切る。オペルのアストラへ期待する金額としては、割高かもしれない。

PHEVの場合、さらに4000ポンド(約62万円)ほど高くなる。オペルによれば、安くなる保険料や節約できるエネルギーコストで、多くのユーザーは元が取れると主張する。実際、PHEVが選ばれる割合は、かなり多いようだ。

先代より間違いなく操縦性に優れる

新型アストラを運転してみると、1.2L 3気筒ガソリンターボでも、非常に静かで滑らかに走る。低速域でもしっかり路面からの入力を遮断し、ソリッドゴムのように穏やか。開発時の努力がよく表れている。

スピードが速まっても、操縦性には適度な締りがある。コーナーを攻め込んでも、横方向の姿勢制御が好印象で、グリップ力が失われることもない。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2T 130 GSライン(英国仕様)

ステアリングホイールはやや軽めながら、フロントノーズの反応は一貫している。速度域に関わらず、正確に操れると感じた。

鋭いハンドリングを備えた、機敏に反応するハッチバックではない。それでも、先代より操縦性に優れることは間違いない。サスペンションのスプリングレートが増しているが、不快な振動に悩まされることもなかった。

PHEVのアストラでも、新しいシャシーの長所が光っていた。ガソリンエンジンと駆動用モーターが滑らかに切り替わる、知的なパワートレインが搭載され、上質な走り心地を得ている。

駆動用バッテリーでの走行可能距離は、カタログ値で59km。気温が下がる真冬の場合は、40kmほどが現実的な距離のようだ。

動力性能はたくましい。本気を出すとエンジン音が目立ってくるものの、PHEVは日常の運転環境では必要以上なほどパワフルでもある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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