100kWhと652psで欧州へ上陸 ニオET7 プレミア・エディションへ試乗 ライダーも搭載

公開 : 2022.04.10 08:25

中国の新興ブランドによる大型EVサルーンが、2022年末から欧州へ上陸予定。英国編集部がその実力を評価しました。

ライダーを量産車として世界初搭載

中国の新しい純EVメーカーとなる、ニオ。2021年にノルウェーで欧州市場への参入を果たし、2022年にはドイツを含む4か国へ販売エリアを拡大する計画を立てている。

一足先にノルウェーへ導入されたニオは、ブランド第1世代となるES8だった。だが販売市場の拡大に合わせて、新プラットフォームをベースとした、第2世代に当たる3モデルが投入されることになる。

ニオET7 プレミア・エディション(中国仕様)
ニオET7 プレミア・エディション(中国仕様)

その1台が、今回試乗したET7。その実力を、中国での試乗から確かめてみたい。

ニオの第1世代モデルは、すべてがSUVだった。だが新しいET7は、写真の通り滑らかなフォルムの4ドアサルーン。クーペのようにスタイリッシュで、テスラモデルSなどへ真っ向勝負を挑むことになる。

ET7には、自律運転を前提とした数多くのセンサー類が搭載されている。見た目ですぐに気が付くものとしては、フロントガラス上部に取り付けられたレーザー・センサー。一般的にライダーと呼ばれるもので、量産車としては世界初となる。

インテリアデザインは、さほど奇をてらった部分はないものの、素材や組み立て品質は明らかに第1世代から向上している。ソフトタッチ加工された素材が広範囲に用いられ、テクスチャーも上質。高級感が漂っている。

ライバルブランドより40%ほど、ナッパレザーの使用面積は大きいとニオは主張する。デザインはテスラほどミニマリストではなく、車内空間はとても開放的だ。

ドルビー・アトモスを標準装備

ダッシュボードの中央には、巨大なタッチモニターが鎮座。基本的に、車内機能の多くはこのモニターを介して操作することになる。また、ダッシュボード上部のデジタルアシスタント、「ノミ」を介して対話形式でも操作が可能だ。

メーターパネルはモニター式。ヘッドアップ・ディスプレイも標準装備となる。

ニオET7 プレミア・エディション(中国仕様)
ニオET7 プレミア・エディション(中国仕様)

不思議なことに、助手席側正面にグローブボックスは備わらない。フローティング形状の大きなセンターコンソール下に、広めの収納空間がある。両サイドにリッドがあり、運転席側と助手席側から、それぞれアクセスできる。

その収納空間内部にはSUBポートが備わるほか、顔認識機能や暗証コードでロックが可能。貴重品などをしまっておくこともできる。

ET7が売りとする1つが、ドルビー・アトモスと呼ばれる音響システム。ルーフ内にも内蔵された合計23基のスピーカーにより、豊かな音響体験を与えてくれるという。ちなみにこのシステムは、メルセデス・ベンツEQSにも搭載されている。

リアシート側の頭上空間は、身長180cmを超える大人でも不満なし。膝周りの空間にもゆとりがある。センターコンソールの後端に小さなタッチモニターがあり、エアコンやヒーター、マッサージ機能などを制御できる。

荷室容量は大きい。その内張りには、少し安普請な印象を受けた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・アンドリュース

    Mark Andrews

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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